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インタビュー:パラマウント ピクチャーズ ジャパン 星野 有香 マーケティング本部長

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インタビュー:パラマウント ピクチャーズ ジャパン 星野 有香 マーケティング本部長

2011年12月09日

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

 「興収100億円に挑戦、不可能を超える!」

パラマウント星野氏.jpg


 パラマウント ピクチャーズ ジャパン配給「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」が、12月16日(金)より全国公開される。

 宣伝の陣頭指揮をとるのは、今年7月5日付で入社しマーケティグ本部長に就任した星野有香氏。シリーズ第4弾となる超大作を、どこまでのメガヒットにできるのか。星野氏に聞いた。



20代の獲得が重点課題

 ――シリーズ第4弾となる今回は、どのようなストーリーですか。

 星野
 冒頭、ロシアのクレムリンで爆破テロが発生し、その容疑がIMF(不可能作戦班)のイーサン・ハント(トム・クルーズ)とそのチームにかけらます。米大統領は政府が事件に関与した疑いを避けるため“ゴースト・プロトコル”を発令、イーサンチームはIMFから登録を抹消されます。国や組織の後ろ盾を失ったまま、前代未聞の不可能なミッションを遂行せざるを得ない状況となります。これが、アウトラインです。

――物語のポイントは、どのあたりですか。

 星野
 今回は、追跡劇と逃亡劇という二重の面白さがあります。本物のテロリストを捕まえないと、イーサンチームは凶悪テロリストとして全世界に指名手配されてしまいます。そして、その本物のテロリストが核兵器によるテロを起こす恐れがあり、それを阻止しなければなりません。

――毎回、イーサンが組むチームのメンバーが楽しみの一つです。

 星野
 「ハート・ロッカー」の主演俳優ジェレミー・レナー、「プレシャス」のポーラ・パットン、そして前作に続き英国の喜劇俳優サイモン・ペッグが、IMFのメンバーとして集結します。今回の映画では、イーサンチームの人間関係に亀裂が入ります。これまでのシリーズでは強い信頼感がチーム内にありましたが、今回は不信感が広がっていく。ウラのあるメンバーもいる。特にジェレミー・レナー演じる捜査官が、敵か味方かがわからず、チームの絆を揺さぶる存在となります。

――このシリーズは、やはりトム・クルーズの渾身のアクションが売りです。

 星野
 最大の見せ場は、世界一の高さと最新のセキュリティを完備したドバイの超高層ビル“ブルジュ・ハリファ”のシーンです。このビルに粘着グローブと命綱一本で、イーサンが外部から侵入しようとするのです。CG合成が当たり前の時代に、生身の圧倒的な迫力、まさに手に汗を握るスリルが味わえます。ブルジュ・ハリファは828メートルもあり、東京スカイツリー(634メートル)より200メートルも高い。そんな場所で、俳優が自らスタントをしてしまう。こんな芸当は、トム・クルーズにしかできません。このシーンを中心にした18分のフッテージを、興行やマスコミの方々にお見せしましたが、大変評判となりました。

 ――宣伝の立ち上げは?

 星野
 今年の年明け早々に、宣伝をスタートさせました。宣材物は7月に、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(7月15日公開)に合わせ、予告編やポスターを解禁しました。他に、東京や大阪で屋外広告、地下鉄での広告などの露出を始めました。

写真②.jpg ――予告編は、日本のオリジナルと聞きました。

 星野
 このシリーズは、1作目(1996年)が興収61億円、2作目(2000年)が97億円、3作目(06年)が51億円と、いずれもメガヒットを記録。日本で何故このシリーズがこれほど成功しているのか、リサーチしたところ、(1)主人公イーサン・ハントを演じるトム・クルーズの魅力、(2)スパイアクションとしての物語の面白さ、そして(3)テーマ曲、という順番でした。あの定番のテーマ曲が流れると気持ちがワクワクして、「ミッション:インポッシブル」が帰ってきた!という感じがするようです。米国版の予告編はテーマ曲をフィーチャーしたものではなかったので、日本ではテーマ曲を使ったオリジナルの予告編で行くことに決めました。

 実は、ポスターも日本のオリジナルなんです。世界的に使用されるポスターは、トム・クルーズの顔を正面からとらえ、“容疑者イーサン・ハント”をフィーチャーしたビジュアルです。日本では3作目まで全て、トム・クルーズの横顔を使用しています。今回もこれに倣い、〝ブルジュ・ハリファ〟のシーンをポスター用に起こし、それを背景にしたトム・クルーズの横顔を、メインのビジュアルにしました。

――ターゲットは?

 星野
 オールターゲットです。20代~50代を核に、その上の世代も、下の世代も取り込みます。年2~3本しか映画を見ない人をも取り込んで、正月映画の№1を狙います。公開7週前(10月29、30日)時点の認知度と意欲度は、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」(興収42億円)、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(58億円)、「M:i:Ⅲ」(51億円)の7週前時点を上回っています。特に30代、40代の男性が高い傾向があります。正月映画の中ではずば抜けていて、公開初週だった「ステキな金縛り」と同じレベルでした。勿論、公開が近づくにつれて、さらに伸びていくことは間違いありません。

 課題の一つが、WEBを使ったプロモーションで20代の男女をどれだけ映画館に呼び込めるか。この世代は映画離れの傾向があり、前作が公開された5年前とは世代が違います。ブルジュ・ハリファ撮影のビハインドシーンなど、この映画のエンタテインメントとして面白さを徹底的に訴求することで、20代も付いてきてくれると思っています。

 ――ブラッド・バード監督は「レミーのおいしいレストラン」「Mr.インクレディブル」など、アニメでは大変な実績のある人ですが、今回の起用は大抜擢でしょう。監督の手腕は発揮されていますか。

 星野
 この映画は、緊張感のあるアクションシーンが凄いのは言うまでもありませんが、その一方で、キャラクター同士の掛け合いの間が抜群に面白いのです。アニメの世界では、一つひとつ細かく絵コンテを描いて、全て計算ずくでキャラクターを動かし、演出を行うと思うのですが、そうしたアニメ出身ならではの良さが、本作にも発揮されています。非常に緊迫したシーンのはずなのに、笑わせられることもあり、キャラクターが生き生きとしています。全体を通じて、緊張と弛緩とのバランスが絶妙です。

(c)2011 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.



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