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【Vol.2】角川書店がODSセクションを廃止

映画部デスクの「映画興行あれこれ」

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【Vol.2】角川書店がODSセクションを廃止

2013年04月19日
 この3月、4月に映画興行各社で株主変更、組織改編や人事異動が相次ぎましたが、角川書店でも気になる動きがありました。4月1日付で、映像営業局の中にあった「興行部」が廃止され、興行部の中にあった「ODS事業推進課」も廃止されました。これから角川グループのODSはどうなるのだろう・・・と、当然の疑問を抱きました。

 ここ数年、ODSに力を入れる会社が増えています。それは、興行会社だけでなく、配給会社もあるし(新興も含め)、人気歌手の所属事務所やレコード会社もあるし、ライブビューイングのインフラ面に注力する事業者もいます。

 角川グループの中では、興行の角川シネプレックス(現シネプレックス)からODSへの取り組みが始まり、2009年春頃に番組編成部の中にODS担当の専任者を配置しました。その後も本格化に向けて準備を進め、2010年5月に公開した「はやぶさ」のドキュメンタリーが興行的に大成功。同年8月に、角川書店にODS事業推進室(当時の名称)を立ち上げて以降は、シネプレックスはコンテンツ上映の受け皿に徹し、書店のODS事業推進室は作品調達、劇場ブッキングなどのいわゆる配給会社の業務を行う、と役割を分担。ODS配給のレーベル“角川映画フィルムインク”を通じて、これまで多様な映像コンテンツを手掛けてきました。

 ここで、冒頭の疑問“これから角川グループのODSはどうなるのだろう・・・”に、戻ります。

 書店のODS事業推進課には、昨年は3名ほどが在籍していました。が、ある人は数か月前に異動になったり、またある人は退社したり。残った興行部長の水越氏も4月からVIP0へ出向となり、組織的にも人材的にもODSを扱える状況ではありません。中長期的にはともかく、少なくとも当面の間、角川グループはODSに主体的には関わっていかないのだろうと推測しています。

 そんな矢先、超新星のコンサート(5月17日、パシフィコ横浜国立大ホール)の生中継をMMWが、モーニング娘。のコンサート(5月21日、日本武道館)の生中継をライブ・ビューイング・ジャパンが、それぞれ配給することを知りました。この2件は、これまで角川書店ODS事業推進課が配給(クレジットは「配給協力」)してきたアーティストです。まさに、角川グループのODSの現状を、象徴するような出来事でした。



松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 サイト事業部所属

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味はスポーツ観戦、読書。





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