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【Vol.21】11月23日開業「イオンシネマ東員」の見通し

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【Vol.21】11月23日開業「イオンシネマ東員」の見通し

2013年10月17日
 イオンエンターテイメントが、経営統合後の新会社として初めての新劇場「イオンシネマ東員」を11月23日(土・祝)にグランドオープンすることを発表した。

 場所は、三重県の北勢エリア、員弁郡東員町に新設される大型ショッピングモール「イオンモール東員」内。10スクリーン、1629席の規模となる。

 先行して発表した、12月オープンの「イオンシネマ幕張新都心」と同規模。しかし設備面では、かなりの違いがある。幕張新都心にはウルティラ、ドルビーアトモス、D-BOXといった最新の設備を導入。イオングループのお膝元であり旗艦店舗となる「イオンモール幕張新都心」への出店ということで、この力の入れ具合は納得できる。首都圏であり、かなり強力なライバルがいることも意識してのことだろう。

 一方、今回発表した東員は、デジタル3Dなどは標準装備しているが、設備面で特筆するようなポイントはない。極めてオーソドックスなシネコンになるのだろう。

 イオンシネマ東員は同社にとって、三重県内では4カ所目のシネコンとなる。既存3サイトは、イオンシネマ津、鈴鹿、桑名。地図を見ると、東員町の東に桑名市、南に四日市市が位置する。競合は、自社競合となるイオンシネマ桑名、そして109シネマズ四日市。一見したところ、こうした構図が思い浮かぶ。

 イオンシネマ東員の年間動員目標は40万人。これは、かなり高い目標設定かもしれない。三重県内のシネコンは5サイトあるが、昨年2012年の動員計は187万人。サイト別では30万人台の前半から40万人台の前半といった水準。ちなみに、イオンシネマ桑名、109シネマズ四日市は40万人に届いていない。

 設備面で際立った特徴のないイオンシネマ東員だが、その強みとは何か。一つは、モールの吸引力。モールは東海地区初23店舗、三重県初44店舗を含む155店舗で構成され、広域からの集客が期待される。

 また一つは、スクリーン数が10あること。県内の既存シネコンは7~9スクリーンであり、10スクリーンは優位点。映画はもちろんのこと、同社が力を入れるシアタス(=ODS)や、各種イベントなどの受け皿になる。上映作品の選定、シアターの活用方法などが重要なポイントとなるはずだ。




松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 サイト事業部所属

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味はスポーツ観戦、読書。





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