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【Vol.9】TOKYO FM、V-Low視野に『桑原茂→の×××ラジオ』放送中

小川記者の「ラジオ・ミックス・ショウ」

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【Vol.9】TOKYO FM、V-Low視野に『桑原茂→の×××ラジオ』放送中

2014年06月19日

 伝説のラジオ番組『スネークマンショー』の仕掛け人として知られる桑原茂一が現在、TOKYO FMで6月の1ヶ月限定で番組を放送しています。タイトルは『桑原茂→の×××ラジオ(ピーラジオ)』。月曜21時~21時20分オンエア中で、すでに3回放送し、残すはあと2回となりました。

 桑原茂一といえば、70年代後半に小林克也、伊武雅刀とコントを絡めた選曲番組『スネークマンショー』をスタートさせた人物。そこで流れる過激なコントと当時最先端のパンク、ニューウェイヴに、感度の高いリスナーはこぞって熱狂しました。現在はInterFMで『桑原茂一のPirate Radio』(火曜25時)をレギュラー放送中で、そちらでファンになった人もいるかと思います。

 その桑原茂一が現在TOKYO FMで放送中の『桑原茂→の×××ラジオ(ピーラジオ)』。こちらも選曲番組ですが、桑原茂一が関わるからにはただの選曲番組では終わりません。この番組ではラジオ業界初となる、5つの音楽配信サービスとのコラボを実現。番組で流れた楽曲は、KKBOX、Music Unlimited、レコチョクBest、dミュージック(月額コース)、ひかりTVミュージックの定額制音楽配信サービスで、プレイリストとして視聴できます。番組の構成・演出はもちろん桑原茂一(クレジットは“桑原茂→”と表記)。選曲は桑原茂一のほか、第2回を田中知之(Fantastic Plastic Machine)、第3回をDJやついいちろう(エレキコミック)がつとめるなど、世代的にも幅広い人選となっています。そこに桑原茂一ならではの演出が冴えわたり、例えば前回の放送だと、やついいちろうの声に様々なエフェクトがかけられていました。

 音楽配信サービスとのコラボについては、スマホ・タブレットなどを中心に聴取できる「V-Lowマルチメディア放送」に向けたトライアル企画として実現したもので、そういった点でも注目です。V-Lowマルチメディア放送の開始はまだ先ですが、番組から音楽配信サービスへ誘導することで、ラジオとネットがシームレスに連動することを意識した内容になっています。ネット(通信)との連動により新たな可能性を秘めるV-Lowですが、これを中心となって推進するTOKYO FMは、V-Lowマルチメディア放送のコンテンツの原点は「ラジオ」にあるとしています。だからこそ今回のトライアルに、ラジオの技を知り尽くした男・桑原茂一が起用されたのだと思います。

 『スネークマンショー』からのファンは桑原茂一の新しい番組に歓喜し、これを機に音楽配信サービスを楽しむようになるかもしれません。またネットユーザーの中心である若者にとっても、桑原茂一プロデュースによりラジオの面白さを知るチャンスとなるでしょう。このように、V-Lowマルチメディア放送に限らず、まずはリスナーの聴取習慣に新しい刺激をもたらすことが、ラジオ活性化につながるのではないかと思います。

 『桑原茂→の×××ラジオ』第4回目となる次回6月23日の放送は、大沢伸一が選曲します。ぜひチャンネルを合わせてみてください。




小川航(おがわ・わたる) 放送部所属

 駆け出しの放送担当記者。このコーナーでは、主にラジオ(ときにTV)と音楽にまつわるトピックスをご紹介。昭和歌謡のヘビーリスナーだが、基本なんでも聴く。先日、浜田省吾10年ぶり新曲発表のニュースに心躍る。



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