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【Vol.45】ショウゲート2作品が好調な出足

映画部デスクの「映画興行あれこれ」

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【Vol.45】ショウゲート2作品が好調な出足

2014年07月09日
 ショウゲート配給の新作2本が、2週連続で好調なスタートを切った。1本目は、6月28日公開のホラー『呪怨 終わりの始まり』。2本目は、7月5日公開のアニメ『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』。

 前者は初日2日間の成績が、全国122館で8500万円。女子中高生グループを中心に、10代の男女が中心の客層。他に大学生カップル、20~30代男性一人客らが来場した。驚いたのが、2週目の落ちの小ささ。前週比82.1%をキープした。2週目日曜日(7月6日)現在で興収は2億2千万円に乗り、最終でも4億円以上がほぼ確実視される。

 2週目も相変わらず、女子中高生が来場しているという。夏休み映画がこれから続々と公開されるが、回数、週数をどれだけ維持していけるのか。とはいえ、ターゲットが丸かぶりしそうな作品が見当たらないこともあり、3週目の成績いかんでは、さらに上の成績も期待できるかもしれない。

 一方、後者は初日2日間で、全国14館で3400万円を上げた。館アベレージは247万円と、この週末の公開作品では圧倒的1位を獲得した。土曜日が2300万円、日曜日が1100万円と土曜日がWスコアで良かったのは、土曜日に舞台挨拶を都内3館(新宿バルト9、シネマサンシャイン池袋、TOHOシネマズ日本橋)で2回ずつ、計6回実施したことが影響している模様だ(日曜日には大阪、名古屋で計4回実施)。ほとんどが男性客で、30代以上が大半。TVシリーズからの熱烈なファンが来場し、物販も好調。完売するグッズも続出しているそうだ。

 ただ、今後については、予断を許さない状況。やはりと言っていいだろう、土日の勢いに比べると平日は大人しい。またコアなアニメの場合、1週目週末に観客が極端に集中する傾向がある。まずは2週目の数字を見守る必要がある。

 さて、映画は水物だ。当たり外れがある中で、どこの会社でも収益を維持するのは簡単ではない。そんな中、ショウゲートは昨年度(2014年3月期)が好業績だったという。映画部門でいえば、『100回泣くこと』(興収7億3千万円)が最大の立役者。ほかに『劇場版 BAD BOYS J 最後に守るもの』や『劇場版 仮面ティーチャー』もあり、ジャニーズ事務所案件の貢献度は大きい。一方で、洋画など他作品で手堅く勝負し、予算に達しない場合でも大負けはしない取り組み方を徹底している。こうした勝ち、負けのバランスが上手く取れたのが昨年度だったと言えるかもしれない。

 今年度(2015年3月期)は、果たしてどうなるだろうか。これといった大玉がない中で、是非とも結果を残してほしい。




松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 サイト事業部所属

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げるが、取材のベースは興行に置いている。2011年から映画部デスク。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。





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