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トップインタビュー:朝妻一郎 (株)フジパシフィック音楽出版代表取締役会長

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トップインタビュー:朝妻一郎 (株)フジパシフィック音楽出版代表取締役会長

2008年11月28日
知られざる音楽業界、音楽出版の仕組み
 自身初の著作物出版、かつての連載を再構成
 フォークルや大滝詠一、小田和正との出会い
 
 フジサンケイグループの音楽出版会社「フジパシフィック音楽出版」の朝妻一郎会長の執筆した新刊書籍「ヒットこそすべて~オール・アバウト・ミュージック・ビジネス~」(白夜書房)が話題になっている。かつての雑誌連載を再構成すると同時に、元ニッポン放送社長・亀淵昭信氏との対談なども盛り込んでいる。現在は(社)音楽出版社協会の会長も務める。60年代から現在に至るまで、日本と欧米ポップスの両方の音楽制作の現場にいた唯一の人物・朝妻一郎氏が本誌で大いに語ってくれた。




断る理由がなかった…

 ―― 新刊書籍「ヒットこそすべて~オール・アバウト・ミュージック・ビジネス~」を刊行されましたが、朝妻会長にとっては初めての著作物と言うことですね。

朝妻一郎(以下・朝妻) 正直、私の本なんか出してくれるような出版社なんかないだろうと(笑)そうしたら、周りの人たちから「本をだそうよ」って。そのうち、白夜書房の藤脇邦夫さんと、フジテレビの黒木彰一さんが話し合っていて、私も断る理由がなくなっちゃって(笑)

 ―― 本の構成や内容は?

朝妻 編集の人が非常に優れていましてね。かつて「オリコン」で連載していた、ティン・パン・アレイの連載や「キーボードマガジン」で連載したアナザー・サイド・オブ・ミュージック・ビジネスを再構成しました。「キーボードマガジン」で連載したものは、約4年間連載してきましたから、それだけでも新書本1冊分くらいある。「オリコン」の連載の分なんかもそのくらいあって…。そう考えると、今まで執筆したものをうまくまとめる機会があったのでよかったなと。

 ―― それにしても、今まで朝妻会長自身としての著作物がなかったのが不思議ですよね。

朝妻 いやいや、本を出すなんて全然…。今年の3月くらいまで全く思っていなかったんですよ(笑)、それがバタバタと話が進んじゃって。

 ―― 自身で読み直してみてどうでしたか?

朝妻 今まで私自身、意識して仕事をこうしよう、ああしようと思ってきたわけじゃなかったんですけど、今回、四十数年を振り返ってみるとこれが1つの流れになっているんだなって、改めて思いましたね。

 ―― 今は権利ビジネスや音楽出版というものが注目されて、色々と言われるようになってきましたが、42年前となると音楽出版というものが今ほど取り沙汰されていない時代だったと思うのですが、その時代にパシフィック音楽出版(※昭和60年にフジ音楽出版と合併し「フジパシフィック音楽出版」に改称)を選んだというのは。

朝妻 高崎一郎さんに誘ってもらったことが一番なんですが、もう1つの理由は、私は当時から洋楽が大好きでしてね。とにかく洋楽のヒット曲を聴いている時に、この曲は誰が作詞して誰が作曲して音楽出版社がどこでというのが出ていて…。その作詞、作曲、音楽出版社という組み合わせに非常に興味を持ってたんです。
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