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レポート:NHK「技研公開2009」

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レポート:NHK「技研公開2009」

2009年05月28日
スーパーHV関連技術多数、立体TVも進化
 ユーザ認証、ホログラム記録などの新技術も
 キュリオビュー、高度衛星DLサービスなど
スーパーHV関連技術多数、立体TVも進化
ユーザ認証、ホログラム記録などの新技術も
キュリオビュー、高度衛星DLサービスなど

    

 NHKは、毎年恒例の「NHK放送技術研究所」の一般公開を、5月21日から24日の4日間にわたり行なった。
 今年の技研公開は“テレビの進化は 止まらない”をテーマに、最新の研究成果37項目を展示。展示の中でも、NHKの経営計画に掲げている「いつでも、どこでも、もっと 身近にNHK」を実現する研究開発や、さらに先を見据えた放送メディアの開拓への技研の取り組みなどが注目の案件。同時に、約2年後に迫った完全デジタル化への関心を高めるため、地上デジタル放送関連研究についても一堂に集めて展示している。
 久保田啓一NHK放送技術研究所所長によると「技研公開2009」は、「2年後には完全デジタル化となるテレビだが、その後もずっとテレビは情報を提供する中心であり続けたいという気持ちを、今年のテーマに込めている。それを達成するには技術もNHK職員も進化と脱皮を続けていくしかない。様々な物を展示しているが中でもスーパーハイビジョン(SHV)は、今後10年間のフラッグシップ的な位置づけのものとなる」と語っている。 今年の技研公開の主な注目展示は、スーパーハイビジョンのフル解像度で表示できるプロジェクター、世界初のスーパーハイビジョンの多チャンネル生中継伝送の公開実験実施、解像度が大幅に向上した眼鏡なし立体映像の「インテグラル立体テレビ」、および未来のテレビ技術の数々など。以下では、実際の展示の中から注目のものをピックアップして紹介する。


※画像はすべてクリックすると拡大します※

▼SHVフル解像度実現のプロジェクター(スーパーハイビジョンシアター)
  

 
 この程、SHVのフル解像度となる3300万画素を表示できるプロジェクターを日本ビクターと共同開発。従来のSHV用プロジェクターは800万画素の表示素子を4枚用い、画素ずらし方式で等価的にSHVの解像度を得ていたため、2台のユニット(G/GとR/B)を用いて表示システムを構成する必要があったのだが、今回開発したプロジェクターでは、3300万画素に対応した表示素子3枚を用いることで、R(赤色)・G(緑色)・B(青色)の3原色すべてについて、SHVのフル解像度映像表示を実現。これにより1台のプロジェクターで表示できるようになり、画質も向上している(60フレーム/秒表示、高輝度化=光出力1万ルーメン、広ダイナミックレンジ化=コントラスト比2万5千:1も実現)。ちなみに、NHKではSHVの国際規格化に取り組んでおり、既に映像、音響フォーマットはITU‐R(国際電気通信連合、無線通信部門)およびSMPTE(映画テレビ技術者協会)の国際規格になっている。
 上の画像5枚は、この新開発プロジェクターを用いたスーパーハイビジョンシアターでの上映映像。最後の画像は、次の項目で説明する、さっぽろテレビ塔からの生中継伝送実験の映像を、スーパーハイビジョンシアターで上映したもの。


▼世界初のスーパーハイビジョン多チャンネル生中継伝送実験

 新たに開発した広帯域変復調器を用い、情報通信研究機構(NICT)と共同で、超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」によるSHV多チャンネル・生中継伝送の公開実験を実施。札幌のさっぽろテレビ塔からの街の風景映像が生中継されている。実験としては、テレビ塔からNHK札幌放送局間は光伝送し、札幌放送局から茨城県鹿嶋市のNICT鹿島宇宙技術センターまではNICTが整備運用している高速インターネット回線(JGN2plus)を使って伝送、鹿島宇宙センターで既に用意していたSHV2番組を多重して計3チャンネル分を28GHz帯で衛星にあげ、それをNHK技研で受信し映像として表示する流れ。この実験に向けて、将来の衛星で伝送帯域が広帯域になることを想定して、伝送帯域幅300MHzの広帯域変復調器を開発しており、これにより転送レート500Mbpsの高速度を実現。また本実験では、SHV映像を圧縮して伝送しているが、これは、SHVの画面をハイビジョンサイズに16分割して各々を並列して圧縮符号化することで、リアルタイム処理を実現し、生中継を可能にしている。
 画像は、実験がうまくいっていることを示す、常時生中継を表示している、ハイビジョン端末×4の受像機。


▼解像度向上のインテグラル立体テレビ
 
 インテグラル立体テレビは、微小な要素レンズを多数並べたレンズ板を使用し、撮影および映像表示するものとなるが、この要素レンズの数が多いほど高画質となり、一つの要素レンズを撮影・表示する画素数が多い程、立体映像が鮮明に見える範囲(角度)が広くなる。そのため実用化に向けては、ハイビジョンをはるかに越える高精細の撮影・表示技術が求められている。SHVの開発とともに、インテグラル立体テレビの技術も進展しており、今回は、これまでの約4倍の要素レンズを使ったインテグラル立体撮影システムを新たに開発し、立体映像の解像度を向上させることに成功している。


▼利便性向上のユーザ認証技術

 NHKはNTTと共同で、ユーザ認証を1回行うだけで視聴する受信機(家庭用テレビ、携帯型テレビ、パソコンなど)を変えてもコンテンツの視聴を継続して行うことのできる「マルチデバイス・シングルサインオン(SSO)」技術を開発。この技術により、ユーザ認証が必要なサービスで、視聴者の利便性が大幅に向上することが可能となる。技研公開ではこの技術を使った試作システムを展示。

※画像はすべてクリックすると拡大します※

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