閲覧中のページ:トップ > 文化通信バラエティ > インタビュー >

グロービジョン(株)、石橋隆文新社長に聞く!

インタビュー

最新記事

グロービジョン(株)、石橋隆文新社長に聞く!

2011年02月14日

創立48年、“伝統にプラスアルファ出来るかが私の役目”

石橋⑤.jpg


 外国映画・TVドラマ・ドキュメンタリーなどの日本語吹替・字幕版制作、アニメ作品の音響製作を行っている角川書店の関連会社「グロービジョン(株)」。今年1月1日付でグロービジョンの代表取締役社長に就任した、元角川映画取締役・映像事業本部長の石橋隆文氏に抱負や今後の事業展開などについて聞いた―。

 同社は1963年に創立、69年より国民的アニメ番組「サザエさん」の音声制作を開始し、75年には外国ドラマ「刑事コロンボ」の音声制作で名セリフ“ウチのカミさん”が話題となった。NHKドキュメンタリー番組の日本語版制作や氷上ミュージカル・ショー「ディズニー・オン・アイス」、大阪テーマパーク「ユニバーサルスタジオ・ジャパン」の各種アトラクション音声制作、さらに現在公開中の「ソーシャル・ネットワーク」等の劇場用日本語吹替版制作なども手掛ける。本格的なデジタル時代を迎え、多メディア・多チャンネル・新技術に対応した日本語版制作事業を展開中だ。



―社長就任から約1ヵ月半が過ぎましたが、ここまでを振り返ると。

石橋
 この会社には約1年前から非常勤の役員として入っていたのですが、社長として来てみると、社員や(株)エイケンさん(『サザエさん』などのアニメ制作会社)ほか関係各社にご挨拶に伺って、改めて皆さんの純粋さを感じているところです。社員はしっかりとした責任感と技術を持っており、『サザエさん』の声優さんはじめ、スタッフ・キャストが非常に家族的なんですね。そういったところがこの会社を支えているんだと思いました。
 3月まではしっかりと現場を見させてもらって、来期から新社長としての方針を伝えていきたいと思っています。ただ、年頭の社員への挨拶では、GlovisionのGLOに合わせ、Gは“元気”に、Lは“ロジカルシンキング”で、Oは“大きく成長して欲しい”と打ち出しました。


―角川映画で担当されていた事業とのギャップは感じませんか?

石橋③.jpg石橋
 映画は買い付けて、劇場公開があって、ビデオ発売し、TV放映、配信、キャラクター販売などと、いろんなことが絡み合ってきますが、この会社の事業は、注文を受けて、制作し、納品とシンプル。そこが今まで自分がやってきた仕事と違うところです。しかも、事業としてわかりやすいので、制作に集中できるんです。勿論、営業の厳しさ、制作現場のクォリティーと効率化の両立等、大変なことは山ほどありますけどね。


―石橋さんが社長に就任したことによるシナジーを期待されていると思います。

石橋
 私の人脈で新たな仕事を頂いたり、やってみたいことは少しずつ見えてきていますが、やはりこの会社の伝統として守るものは守っていきたい。ただ“守る”といっても、この48年間、常に“進化”しながら守ってきたと思うんです。これからも技術革新に合わせ対応していこうと考えています。
 スタジオビジネスの常ですが、年間に手掛けられる本数は決まってきます。しかし、キャパを超えた注文にも、外のスタジオを使いつつ、できるだけ対応しています。せっかく頂いたご注文をお断りすることはできませんからね。
 今まで、泉川(昭男)専務水浦(直文)取締役がこの会社をしっかりと守ってきましたので、そこにプラスアルファ出来るかが私の役目だと思っています。情報を共有しながら、今後の成長戦略を描きたい。


―本社・ビデオ編集スタジオと、録音スタジオが分かれているんですね。

石橋
 この本社ビルも築40年以上で老朽化の問題もあり、数年前から引っ越し、建て替えの検討はしていたようです。であるならば決めてしまおうということで、候補地を選定しているところです。ただ、どうしても完成までに2~3年間くらいはかかってしまうんですね。そこには本社とビデオ編集スタジオ、録音スタジオを集約させます。償却の問題はありますが、なるべく早く着工したいですね。営業と制作が一緒の方が効率的ですから。


―先ほど、やってみたいことも見えてきていると言われましたが・・・。

石橋①.jpg石橋
 この会社に可能性を感じていますが、闇雲に新しいことに挑戦していては会社が駄目になってしまいます。今のビジネスの周辺を丁寧に調査し、社員のやる気がふつふつと沸いてくるような、新規ならぬ“新奇ビジネス”を見つけたいと思っています。


―いまスタッフはどれくらいいるのですか。

石橋
 契約社員も含めて72名です。正社員は50人ちょっとです。日本語吹替、字幕版制作、アニメ作品の音響制作に加え、ミュージカル・ショーやテーマパークの各種アトラクション音声制作なども手掛けていますが、今後はライヴものにも当社がどう携われるか考えています。ここを拠点にして、お付き合いのある声優さんたちともっと仕事が出来るようになっていければいいですね。


―角川グループとのシナジーもどう発揮できるか注目しております。(了)
(インタビュー/文・構成:和田隆)


※グロービジョンの公式ホームページはこちら






過去のタイトル一覧

2024年

2月│ 3月

2023年

3月│ 5月│ 7月│ 9月│ 10月│ 12月

2022年

3月│ 4月│ 7月│ 8月│ 10月│ 12月

2021年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 6月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月

2020年

2月│ 4月│ 5月│ 10月│ 11月│ 12月

2019年

2月│ 7月│ 12月

2018年

1月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 9月│ 11月

2017年

2月│ 4月│ 10月

2016年

2月│ 3月│ 5月│ 9月│ 11月

2015年

1月│ 2月│ 6月│ 7月│ 9月│ 10月│ 12月

2014年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2013年

2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2012年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2011年

1月│ 2月│ 4月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2010年

1月│ 2月│ 3月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 12月

2009年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 9月│ 10月│ 12月

2008年

1月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2007年

2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 7月│ 8月│ 10月│ 11月│ 12月

2006年

4月│ 5月│ 6月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月