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グランプリは日大芸術学部 卒業制作上映会「第29回そつせい祭」

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グランプリは日大芸術学部 卒業制作上映会「第29回そつせい祭」

2011年04月25日

 大学・専門学校などの卒業制作映画や映像作品を集めた上映会「第29回そつせい祭」(主催:社団法人日本映画テレビ技術協会、協賛:コダック)が、去る3月11日に都内で行われ、グランプリには、日本大学芸術学部の映画「ボーダー」(鈴木祥監督)が選ばれた。

 「そつせい祭」は、映画・映像制作の専門課程を持つ全国の大学や専門学校から選抜された卒業制作作品を一堂に集めて上映し、プロの監督や技術者、プロデューサーらが審査し表彰するもの。過去に「悪人」の李相日監督(日本映画学校卒)、「川の底からこんにちは」の石井裕也監督(大阪芸大卒)らを輩出してきた。

 今年は全国の学校から15作品のエントリーがあり、一次審査を経て11作品が上映された。審査員は、最新作「これでいいのだ!!映画☆赤塚不二夫」の公開が控える佐藤英明監督のほか、撮影監督の林淳一郎氏、澤井克一プロデューサーが務めた。

 日大芸術学部の「ボーダー」は、心に障害を抱える女性とそれに寄りそう男性の物語。16ミリ撮影で36分35秒の短編。審査員から「画と芝居のトーンが揃っており、そこから感じるリアルさと緊張感のある力の入った作品である。重い話を重くもなく、軽くもなく上手くまとめ、センチメンタルに流されないようにした点も評価出来る。また、スタンダードに撮影し安定感があった。照明のトーンを変えたところも、狙いが良かった。技術的にもなかなか素晴らしい作品」と高評価を受け、グランプリに推された。

 準グランプリは、立命館大学映像学部の映画「あにいもうと」(橋本夏監督)に贈られ、技術奨励賞には、桜美林大学 総合文化学群映画専修の映画「裸足のドブネズミ」(矢萩求道監督)が選出された。立命館大と桜美林大は、ともに2007年に映画・映像制作の専門過程を新設したばかりで、初の卒業制作から優れた作品が生まれた。

 なお、開催当日に東日本大震災が発生し、会場も大きな揺れに見舞われたが、幸いけが人等はなく、イベントは無事に終了した。


「第29回そつせい祭」エントリー作品一覧

日本大学 芸術学部映画学科「ボーダー」(鈴木祥監督)=最優秀作品賞(グランプリ)
立命館大学 映像学部「あにいもうと」(橋本夏監督)=優秀作品賞(準グランプリ)
桜美林大学 総合文化学群映画専修「裸足のドブネズミ」(矢萩求道監督)=技術奨励賞

東放学園映画専門学校「さよならララバイ」(立会達也監督)
名古屋市立大学 大学院「タニシ姫物語」(制作:孟雅芳)
専門学校東京ネットウェイブ「Parkour(パルクール)」(制作:海野雄介)
立教大学 現代心理学部 映像身体学科「帰宅部」(演出:小林大輔)
日本映画学校「平凡カブト」(石崎泰士監督)
大阪芸術大学 芸術学部 映像学科「どうにもとまらない」(演出:堀江祥子)
日本工学院専門学校 放送・映画科「SOUND ROAD」(佐々木彩乃監督)
日活芸術学院「野良ストーリー」(演出:坪井信治)
専門学校東京ビジュアルアーツ「真夜中のかくれんぼ」(銀川旭洋監督)
宝塚大学 東京メディア・コンテンツ学部「そこにあるしあわせ」(藤田芽衣監督、岩井麻緒監督)
東京工芸大学 芸術学部 映像学科「LET ME DREAM」(ジェイソン・ウォン監督)
ビジュアルアーツ専門学校大阪「メランコリア」(演出:西岡智子)

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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