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WOWOW「みんなで作る吹替映画“プロジェクトV”」

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WOWOW「みんなで作る吹替映画“プロジェクトV”」

2011年09月27日

WOWOW加入者が「プロジェクトA」吹替に挑戦!

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 WOWOWは、オーディションで選ばれた加入契約者が洋画の吹替に挑戦する企画を展開している。今回はジャッキー・チェン主演・監督の名作「プロジェクトA」を題材に、宮尾裕保さん、崎本いづみさん、鷹梁恵一さん、古田彰さん、與古田寛之さんの5名が出演。企画名は、この「A」をVOICEの「V」に変え、「プロジェクトV」だ。
 150名の応募の中から選ばれた5名に与えられた役は、「海賊」や「悪玉の手下」など、決して多くのセリフがある訳ではないものの、30時間にもおよぶ厳しいレッスンを積み、本番に臨んだ。彼らが挑んだ渾身の「プロジェクトA」は、10月2日16時15分から「WOWOWプライム」で無料放送。果たしてその出来は――。





 今回選ばれたのは、22歳から57歳までの5名。ジャッキー・チェンの映画を1日4本見て広東語・香港語をマスターした人や、勤めていた会社が倒産して人生の流れを変えるために応募した人など、それぞれがドラマを持った個性あふれるメンバーが揃った。
 応募は「プロジェクトA」という作品から、30~40代の男性が多く、審査に当たった声優学校「81アクターズスタジオ」の百田英生事務局長は、毎年行っている学校のオーディションを受けるのは20代が中心のため、人生経験豊富な人々が参加して面白い試みだと感想を語る。


 

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 レッスンは、8月23日から9月3日まで「81アクターズスタジオ」で1コマ3時間を10日間にわたって、計30時間実施。発声レッスンはもちろん、声楽、アフレコ演習に加え、精神面を鍛える空手授業もある。
 本番の役は、サモ・ハン・キンポー扮するフェイと武器を運ぶ海賊の下っ端や、悪玉の手下・追手など、決してセリフが多いものではないが、石丸博也、水島裕、古谷徹、戸田恵子といったプロと競演するため、レッスンは妥協を許さず、スタジオには怒号も飛び交う厳しいものとなった。それでもジャッキー愛が人一倍強い5名はこれに見事耐え切り、本番に臨んだ。






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 5人は吹替だけでなく、劇中で使用される“音効”にも挑戦。8月下旬には東京・調布の日活撮影所を訪れ、音効歴32年の大ベテランに指南を受けた。
 「ザルの中に小豆を入れて海の音を出す」などで有名な音効だが、今回は▽スーツの布擦れでパンチなどの格闘の音▽お椀を逆さにして叩き、馬が歩く音▽6mmテープの上を歩いて草を踏む音▽ビニール製スリッパを握りしめて「首絞め」のきしむ音▽骨付き鶏もも肉にしゃぶりつき、ブタの丸焼きを食べる音――にそれぞれ挑戦。近年は効果音CDのライブラリーが豊富に揃っているが、あえてこうした手作りのアナログな手法で吹替映画作りを体験した。







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 そして本番の収録は、9月上旬に都内スタジオで実施。プロとの競演前に実際のスタジオでの収録に慣れるためにリハーサルを行ったが、流れる映像に声を合わせるというアテレコに皆苦戦。レッスン・演出を受けるとスポンジのようにどんどん吸収し、上達していくのが目に見えて分かるが、「プロジェクトA」はセリフのテンポが速く、その上唸り声・叫び声が多いため、表現力がより重要になってくるという難しさがある。演出からは「もっと大きく」「オーバーにやるくらいの方がいい」「体が動いていない」といった指導がなされたが、1回その通りにできても次に同じことができないというのが、プロとの大きな違いだ。
 そんな中で、突然アドリブを入れるなど果敢にチャレンジする人もいたが、果たして本番は上手くいったのか――。





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 WOWOWは、継続契約を促す施策として、こうした「加入者特典」の取り組みを進めていく方針。それに加え、「プロジェクトV」を企画・プロデュースしたWOWOW編成制作局映画部サブリーダーの白戸洋行氏=写真=は、今回の狙いを「『既知から未知へ』を目指した」と語る。
 同局は、10月1日から「プライム」「ライブ」「シネマ」のハイビジョン3チャンネル編成にパワーアップするのにあたり、新たなコーポレートメッセージ“見るほどに、新しい出会い。WOWOW”を策定。チャンネルを合わせる度に自分の知らない新しい世界に出会えるメディアを目指すという想いが込められている。だが、これは新しいコンテンツに出会うということだけではなく、既にあるコンテンツでも新しい味付けをすることで「新たな出会い」になるということも意味するという。
 映画「プロジェクトA」は、1983年の劇場公開後、吹替版1つ取っても様々なバージョンが制作されている。そこで今回は、アマチュアが声優として参加するという前代未聞の試みで、「プロジェクトA」との新たな出会いを提供するというものだ。企画名を「プロジェクトV」にしたのは、VOICEの頭文字以外にも、「A」を逆さにして「V」とし、今までとは違う視点から見るという意味も込められている。白戸氏は「『未知から既知へ』はすぐできるが『既知から未知へ』は難しい」と語るが、ここに敢えて挑戦したのが今回の企画だ。




 こうして制作された吹替版「プロジェクトA」は、総合エンタテインメントチャンネル「WOWOWプライム」で10月2日16時15分から放送。また、この直前には、5名のレッスンの模様などを追ったドキュメンタリー番組も放送する。声優として成長していく姿を見た後に視聴する映画は、新たな出会いとなるに違いないだろう。
 さらに、前日の10月1日には、エンディングテーマ「東方的威風」の収録を生放送で敢行。これは選ばれた5名だけでなく、電話やウェブで誰でも合唱に参加することができる。募集締切は10月1日14時まで。

 近年のテレビでは全くの“素人”を扱う番組が減ってきている中で、今回の取り組みは珍しい。このような 前代未聞の試みにもかかわらず、関係各者の理解で実現したこの企画。レッスンの先生も厳しく指導したのは、遊びではなく本気で取り組んでいる何よりの証拠だ。
 放送は、「WOWOW大開局祭」期間中のため、BS放送が受信できれば無料で視聴できる。(了)

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