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焦点・中国の動画配信ビジネス

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焦点・中国の動画配信ビジネス

2011年11月02日

ユニジャパン エンタテインメントフォーラム

「焦点・中国の動画配信ビジネス」

焦点・中国の動画配信ビジネス.jpg

 ネット利用者の数が4億5千万人を超えたと言われる中国。その中国におけるネットビジネスの現状や日本コンテンツの進出の可能性について探るフォーラム『焦点・中国の動画配信ビジネス』が東京国際映画祭開催期間中の10月24日午後、六本木ヒルズで行われた。(上写真はQ&Aセッションの様子)


 当日は、中国国内の大手ポータルサイトやUGCサイトの代表者らが出席し、「現在中国は合法ビジネスの環境が急速に整備されている」という説明と、「中国市場に進出するなら急ぐべき」といった考えが示された。また、米国や韓国のコンテンツホルダーも登壇し、作品提供者から見た中国市場についても説明がなされた。


 フォーラムは2部構成で行われ、まずはコンテンツ提供者側から、ワーナーで著作権侵害対策 アジア太平洋地域を担当するルシア・ランジェル氏と、CJエンタテインメント&メディアのジョナサン・H・キム氏がそれぞれ登壇。


中国は動画配信環境が整備されてきた

ルシア・ランジェル氏(ワーナー).jpg ルシア氏(=右写真)によると「かつて中国の動画配信サイトは100%海賊版だった」というが、昨年、ワーナーと中国サイトが協力を強化した結果、第4四半期には著作権侵害が劇的に減少。「ユーク」「ソーフー」などかつての悪質サイトも現在は優良なサイトに変化し、合法なビジネスが行われているという。ルシア氏は「11年のはじめはまだ違法サイトが存在した。しかし、11年後半の今はほぼゼロに近づいている。中国とは、合法的なライセンスの提供が最も良いビジネスだ」とし、中国の動画配信環境の整備とビジネスチャンスが広がっていることを強調した。


ジョナサン・H・キム氏(CJエンタ).jpg キム氏(=左写真)は、かつて韓国も中国と同様に違法配信が蔓延していたことを振り返り、「急速にIT産業が成長していた00年頃は、著作権への意識が低かった。しかし、コンテンツの制作が産業の要になると政府が判断すると、急速に著作権の意識高まった」とした。そして、「韓国がそうだったように、人々は最初、どこでコンテンツを観たら良いかわからなかった。中国でもそうだ」とし、「正規のコンテンツをリリースし、その映像には権利保有者がいることの認識させることが必要だ」と周知させることの重要性を語った。また、中国で劇場公開する場合、クォーター制(輸入制限)があるが、「オンラインはそれがないため、可能性が大きい。我々にとって最大の収益源になってくると思う」と述べた。


 続いて行われたQ&Aの場で、会場からは「中国のサイトとはどう交渉すべきか?」との質問が挙がり、キム氏は「ビジネスモデルが違うため、彼らにとってのベストを追及するべき。話し合いにはオープンな形で応じてくれる」と回答。また、ルシア氏は「アメリカは膨大な契約書と交渉の時間が必要だが、中国はすぐに契約でき、契約書も3枚ほどでOKだった」とスピーディーに交渉が進む特徴を示した。また、「日本のコンテンツホルダーに対するアドバイスは?」との質問には、ルミア氏が「まず交渉を試みて。かなり良い感触があるはずだから」とし、キム氏も「一刻も早く中国市場に参入するべきだ」と述べた。


「中国市場への進出は急ぐべき」

リュウ・チュン氏(ソーフー).jpg 第2部では、中国の動画配信サイトのメンバーがそれぞれ登壇。大手ポータルサイト『ソーフー』バイスプレジンデントのリュウ・チュン氏(=右写真)は「当社は09年より100%正規版コンテンツを提供している。同年にはワーナーと提携した。これまでは無料配信だったが、10年11月には有料配信を開始。11年にはフォックスとも提携した」とサイトの現状を報告した上で、「ただ、アニメのシェアが小さいため、日本の作品を配信したいと思っている」と日本のコンテンツ取得に前向きな姿勢を表した。


リュウ・チュン氏(ソーフー).jpg バイドゥ他の出資で昨年設立された動画配信サイト『チーイー』最高経営責任者のゴン・ユウ氏(=左写真)は「我々は無料配信サイトで、広告を収入源としている。しかし、コンテンツを購入してもそのコストにまで収入は達していない。バイドゥの豊富な資金があるため問題ないが、競争はさらに激しくなり、現在約10ある有力配信サイトのうち、最終的に勝ち残るのは3~5社くらいでは」と動画配信市場が厳しい競争に晒されていることを明らかにした。ただ昨年は、「中国の動画サイトの広告収入は20億人民元(約240億円)。今年は40億、来年は80億になると見込まれる」とし、有望な市場であることも強調した。なおユウ氏は、同社がこれまでに松竹とバンダイと契約を結んでいることを明らかにし、「例えば『ガンダム』は、日本で放映してから1日でサイトにアップしている」とした。


リュウ・ホン氏(LeTV).jpg 映画・TVドラマに特化したポータルサイト『LeTV』副会長&最高業務責任者のリュウ・ホン氏(=右写真)は「当社は04年にVODからスタートし、課金&正規版を貫いてきた。今は映画4千タイトル、TVドラマ5万回分を取りそろえ、毎月80万人以上のユーザーがサイトを利用する」とし、今後中国市場に進出を考えているコンテンツホルダーに対して「(中国の企業に対して)オープンで協力的なスタンスが必要。海賊版を心配して進出を控えても、海賊版がなくなるわけではない。むしろ正規のチャンネルを作った方が効果的。TVや劇場がニューメディアの脅威を感じ、政府に対し、ネットの作品輸入の規制を働きかけているため、中国へ進出を考えている人は急ぐべき」とアドバイスした。


シュ・ヒュイロン氏(ユーク).jpg 大手動画ポータルサイト『ユーク』バイスプレジデントのシュ・ヒュイロン氏(=左写真)は、「中国のネット利用者は09年が2億9800万人、10年が3億8400万人、そして11年は4億8500万人と言われる」と数字を示した上で、「有料配信を利用するユーザーは、09年はゼロだったが、10年は10万人に、今年は350万人に増える見通し。最大のユーザーを持つ当社も100万人が利用する基礎作りが出来ている」と説明した。


 その後のQ&Aの場では、「日本の権利者はどこと契約を結ぶべきか?」との質問が挙がり、ホン氏が「市場の判断による。1社との契約で良いのか、より多くにディストリビューションしたいのか? 当社(LeTV)はまだアメリカ、日本のコンテンツはない」と回答。また、TV局との関係について、ホン氏とユウ氏は「(ネットビジネスは)警戒されている」とした一方、ヒュイロン氏は「(うまく)連動している」とした。その理由について、「例えばロサンゼルスには10数チャンネルしかないが、中国には数千チャンネルある。それらはプロダクションでもあるのだが、中国では全国統一したTV局がないため、1つのプラットフォームでよりよく提供する必要がある」と話し、TV局が作品の権利者として、ネットビジネスを全国に発信する有効な手段として考えていることも明らかにした。


 今回のフォーラムで明らかになったことは、前記の通り「中国では急速に合法的なネットビジネス環境が整備されてきている」ことと、「その市場が持つ可能性が非常に大きい」こと。さらに、「アニメを中心に日本のコンテンツが必要とされている」ことに加え、市場参入を考えている企業は「できるだけ早く進出に乗り出すべき」ということであろう。特にホン氏の「海賊版を心配しても海賊版がなくなるわけじゃない。むしろ正規チャンネルを作る方が効果的」という言葉は印象的であり、会場に詰めかけた業界関係者にとっても刺激になった様子。中国市場の印象が大きく変わるフォーラムであったと言えよう。


 なお、同フォーラムでは主催CODAの桐畑敏春氏、東京国際映画祭チェアマンの依田巽氏、来賓として経済産業省の伊吹英明氏が挨拶し、CODAと共同主催のMPAからマイケル・C・エリス氏がキーノートスピーチを行った。また、全体のモデレータを弁護士の遠山友寛氏が務めた。共催はユニジャパン。(了)



ユニジャパン エンタテインメントフォーラム
※ミニセミナー「日本・香港 共同制作支援スキーム」はこちら。

※「韓国の国際共同製作支援制度」はこちら。

※「成功する地域コンテンツ産業育成のポイント」はこちら。

※「映画の未来 バリアフリー上映を考える」はこちら。



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