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トップインタビュー:井上泰一角川映画(株)代表取締役社長

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トップインタビュー:井上泰一角川映画(株)代表取締役社長

2009年10月29日
「沈まぬ太陽」が3時間22分の超大作として完成

 角川映画は、「白い巨塔」や「不毛地帯」など国民的作家・山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」を、若松節朗監督、渡辺謙主演で映画化した。日本が高度経済成長を実現し世界経済の頂点へと登りつめていく時代を背景に、巨大企業に翻弄されながらも、不屈の精神を持ち続け、人間の尊厳を守るために自らの信念を貫く一人の男、恩地元(渡辺謙)の生き様を描く大作だ。製作を担当した井上泰一角川映画(株)社長に製作の動機や経緯、興収目標等について聞いた。



【井上泰一社長略歴】昭和19年(1944年)4月19日生まれ、昭和44年3月法政大学法学部卒業、44年4月(株)角川書店(現・(株)角川グループホールディングス)入社、54年5月九州営業所長、60年7月(株)角川春樹事務所取締役営業部長、平成元年10月(株)キティグループ取締役、5年4月メディアワークス入社、6年2月取締役、9年6月常務取締役、14年6月(株)角川書店常務取締役営業局長、18年3月同代表取締役社長、19年3月角川映画(株)代表取締役社長、19年6月角川シネプレックス代表取締役会長、20年6月日本映像振興(株)及び(株)ムービーゲート代表取締役社長。座右の銘は30歳の頃から「気くばり、目くばり」。映画のベスト1位は邦画が「七人の侍」、洋画が「風と共に去りぬ」。自社作品は昭和51年公開の「犬神家の一族」。
ラストは感動で涙

 ――「沈まぬ太陽」は、3時間22分(10分間のインターミッションを含む)にのぼる、骨太な見事な日本映画の超大作として完成しましたね。
 
 井上 様々なみなさんから「早く見たい」と言っていただき、それに応える作品が完成したと自負しています。今年2月、海外ロケからクランクインし、海外で一ヶ月、そして国内で三ヶ月半、延べ四ヶ月半の撮影を終え何事もなく無事に完成しほっとしています。とにかく主演の渡辺謙さんがいいです。ラスト・シーン、アフリカ・サバンナの夕陽をバックに、「それは私には、不毛の日々に在った人間の心を慈しみ、明日を約束する沈まぬ太陽だと思えるのです」という謙さんのナレーションが流れるところは本当に感動的で涙しました。
 
 ――角川映画では、どういう経緯で「沈まぬ太陽」を作ることになったのですか。
 
 井上 黒井和男前社長時代の2006年5月30日、銀座東武ホテルで開かれたラインナップ発表会で大作の1本として明らかにされたものです。詳しくはわからないのですが、今回企画を担当してくださった元フジテレビプロデューサーで、彩の会代表の小林俊一さんがもともとテレビドラマ化しようとしていたんですが、やはり山崎豊子先生の原作は1度映画化して、背中を押すと(テレビドラマ化も)ついて来るんじゃないかと、黒井さんに映画化を申し入れたと聞いています。
 
 ――旧大映と東映で映画化を企画していましたけど、その流れではないのですね。
 
 井上 そうです。1999年当時、徳間康快さんと東映さんとの中で、お話しさせていただいていましたが…。
 
 ――徳間さんが2000年9月に亡くなられ、終わったわけですね。
 
 井上 徳間さんが亡くなった時、山崎先生もお葬式にいらっしゃってくれたのですが、その後「申し訳ないんだけど、ちょっと進まない…」「やめましょう」という話になったのです。ですからまったく新しく角川映画として始まった企画です。小林さんは、田宮二郎主演でフジテレビの「白い巨塔」を製作した関係で、非常に山崎先生とも懇意だったので、その仲立ちをしていただいたのです。
 
 ――小林さんは、山崎さんの作品を何本も手掛けているわけですか。
 
 井上 「白い巨塔」だけです。
 
 ――正式に映画化が決まったのはいつ頃ですか。
 
 井上 そうですね。黒井前社長の時には、ある程度製作するという方向で動いていました。私が社長に就いたのは2007年3月で、その年にすでに脚本を担当する西岡琢也さんのプロットを山崎先生が読んで、これならいけそうだということで、8月にシナ・ハンに行ってよろしいということで当時は情勢が悪くイランへは行けなかったのですが、パキスタン・ケニアに西岡さんが行ったのです。それで大体本作りに入ってから1年半かかりました。

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