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インタビュー:映画「ハチミツとクローバー」のプロデューサー
小川真司・アスミック・エース エン

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インタビュー:映画「ハチミツとクローバー」のプロデューサー
小川真司・アスミック・エース エンタテインメント(株)
執行役員/映画製作グループ統括

2006年07月21日

■恋する感情の原点を体験できるところが見所

――ずばり一番の見所はどこでしょう。

“恋する感情の原点”を体験できるところでしょうか。先ほども言ったように、この映画は何も起こらないので、見所は役者さんたちとも言えます。とにかく主演の5人が素晴らしい。キラキラしています。それを本当に高田(雅博)監督が引き出していますね。みんな学生時代に戻りたいと思うでしょう。見ていて飽きないんですよ。また、脇の役者さんたちが5人を支えています。5人が通う美大の先生役の堺雅人さんも、櫻井さん演じる竹本祐太が自分探しの旅の途中で出会う修復士役の中村獅童さんも良かったですね。

――劇中に出てくる絵画や木彫もいきていましたね。

美術・装飾費が一番かかりました。蒼井さん演じる花本はぐみと、伊勢谷さん演じる森田忍の作品は重要なポイントで、高田監督が本物に見えなければとこだわり、はぐみの絵画製作を手掛けたMAYA MAXXさんは、電通テックの多田(真穂)プロデューサーが捜してくれました。森田の木彫製作を手掛けた森田太初さんは、偶然にも東京藝術大学出身の伊勢谷さんの友人です。

――関連商品発売やタイアップも続々と決定し盛り上がりを感じます。

豊島(雅郎・新社長)新体制の一発目ですから、これで波に乗りたいですね。邦画では5月公開「間宮兄弟」から「ハチクロ」、そして秋公開「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」で、ホップ・ステップ・ジャンプ出来ればと思っています。

■世界マーケット視野に、ハイブリッド作品なども

――新体制における今後の邦画製作の方向性は。

やはり中規模、ミドルのものを中心に、「間宮兄弟」のようなものから、多少大きいものもやりたいと思っています。ただ、それには興行網が重要になってきますので、そこは時間をかけていかなければいけません。うちは全方位外交なので、どこでもやると思いますが、やはり大きな作品になるとうち単独ではできないので、東宝さん、松竹さんなどとお話をしていきたいと思っています。

――角川ヘラルド映画と共同製作することもあるのでしょうか。

角川書店が当社の株を20%持っているので、角川(歴彦)さんからは10本のうち2本は角川書店の原作ものをやって欲しいと言われています。作品によっては共同でやるものもあると思いますが、要は一緒にやることの必然性があるかどうか、無理してやっても失敗すると思うんですね。だから株主だからとか親会社だからとか関係ありません。やはりうちの持ち味と、組むところの相乗効果でやれればという気がします。

――海外と共同製作する”アスミック・エース ハイブリッド”の進み具合は。

いま「トラップト・アッシュ」(仮題)「SILK」の2本がありますが、新たな柱とすべくハイブリッド作品も積極的に進めて行きたいと思っています。僕がプロデューサーになった時からずっとやりたいと思っていたので、ようやく出来るようになるかもしれない環境になりつつあります。

――日本映画界の現状をどのように捉えていますか。

東宝さん=フジテレビさんの一人勝ち状態が続いていますが、本当にビジネスとして成立している邦画は一握り。そういう状況をどう見極めていくかというのは大変です。「ピンポン」(00年)の頃より邦画製作のための状況は良くなっていると思いますが、競争はより激化していますから、そこで勝つためには相当いろんな面でハードルが高くなっています。 まあ、そのハードルが高くならないと全体のクオリティが上がらないと思うので、お客さんの立場に立ってみればいいことだとは思いますが。うちはインディペンデントなので、常に他と違うことをやっていないと、駄目になってしまいます。

それに世界マーケットを視野に入れていかないと生き残れません。住商が持つジュピターTVやユナイテッド・シネマといったものもありますが、逆に我々がどう活用していくかではないでしょうか。

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