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トップインタビュー:(株)クリエーターズ髙村裕・代表取締役社長

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トップインタビュー:(株)クリエーターズ髙村裕・代表取締役社長

2006年10月12日
横断企画、ファンド等

▼(柱となる各事業について)  1 : コンテンツ開発=やはりまずは、インターネットやモバイル、DVD製作など、ニューメディア系への新企画開発・提案を図っていく考え。CSやBSも視野に入っている。連合していることで、例えば、同じ予算で複数の会社が作品をそれぞれ作ってオムニバスにして提供するというようなやり方や、1本だけでなく共同受注というような形など、様々な形ができるだろう。パートナー企業でもそれぞれ得意分野があって、ドラマ、ドキュメンタリーなどそれぞれにあわせて対応できることも強みだ。

 2 : コンテンツファンド事業=テレビ番組製作プロは、局との受注関係があり、イコールパートナーだといっても資金のことなどがあり、自らがリスクを背負って製作できるということは数少なかった。以前から言われているが、局と製作プロの力関係を変えていくには、自分たちでお金を集めて、局に権利を売るという形に持っていくしかない、ということがある。既に映画やアニメなどでは製作委員会方式などが主流だが、同様に資金調達してコンテンツを広く動かしてリクープしていくという流れを作りたい。そこでファンド組成のお手伝いをしようというのがファンド事業。昨今、LLCやLLPなども良く聞かれるが、我々もこの部分に取り組みたいと考えている。そこで、映像作品1本だけだとリスクも高くなるので、例えば10本など複数でのファンド組成プランなど考えたいと思っている。製作者側にも、もちろん投資家側にも共にメリットのあるものにしていきたい。

 3 : アセット・マネージメント事業=著作権問題をクリアできた映像作品を各社から持ち寄り、1本1本では売りにくい部分を、まとめて売っていくことが出来るようなスキームを作りたいと考えている。それらは束ねればすごい量になる。局との話し合いで販売権窓口を我々の側に渡してもらえるものも対象となる。まずは例えば、京都とか北海道とか、ハイビジョン作品とか、難病もののドキュメンタリーなど、同様のテーマで番組を集めセットでセールスするようなことに取り組みたい。まとめて売りにいけるというメリットを活かしたい。続いて、集積した多数の映像作品に対し、メタデータを付けていくということも考えている。膨大な作業時間もかかるメタデータ付与作業となるわけだが、我々の間でスタンダードとなるようなものは作っていきたいと考えている。実際には、メーカーの技術開発チームや、局の方々などと共に作っていくものとなるが、情報共有化の実現へ向け前向きに取り組みたいと考えている。

 4 : パートナーサポート事業=各社が連合することで、情報交流もこれまでよりしやすくなる。その中で、これまでは各社の中だけでとどまっていた情報を交流していくことで、それぞれのレベルが高まっていくことができるだろう。そういった意味で人材育成へ向けた各種セミナーの実施を事業化していく考え。またクリエーターズの売りである〝1000人以上にのぼる、多数の優秀なクリエーターを抱えていること〟をアピールすべく、クリエーターのメンバーシップ制度、など、パートナーのサポートを進めていく。メンバーシップ制度では、局から、あの人とあの人というような形でクリエーターのご指名がくるような形になることが理想だ。



株式会社クリエーターズ代表取締役社長
 髙村裕(たかむら・ゆたか)氏 略歴(2006年7月現在)


1948年東京都生まれ、57才。1971年、東京大学文学部中退。1971年(株)テレビマンユニオン入社。AD、ディレクター、AP、プロデューサーとしてテレビ番組制作業務に従事。「遠くへ行きたい」(YTV)、「アメリカ横断ウルトラクイズ」(NTV)等を担当。1981年(株)オフィス・トゥー・ワン入社。「久米宏のTVスクランブル」(NTV)、「ニュースステーション」「がん戦争」(テレビ朝日)、「お父さんの時間」(NHK)等のディレクター・プロデューサーを担当。05年6月に同社取締役を辞任。05年9月、テレビ番組制作会社(株)エキスプレス・シー・アール代表取締役社長就任。06年7月(株)クリエーターズ代表取締役社長に就任(兼務)。また、1990年以来ATP(社団法人全日本テレビ番組製作社連盟)の理事も務める。


(全文は月刊誌「文化通信ジャーナル」2006年7月号に掲載)

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