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インタビュー:信国一朗(株)TBSテレビ取締役 事業本部・コンテンツ事業局長

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インタビュー:信国一朗(株)TBSテレビ取締役 事業本部・コンテンツ事業局長

2007年09月12日
TBSブランドを高める映画づくり
 「映画部」を新設し、更なるテレビとの連動を図る
 5カ年計画「Vアップ」達成へ社内改革にも着手!!     

TBSブランドを高める映画づくり
 「映画部」を新設し、更なるテレビとの連動を図る
 5カ年計画「Vアップ」達成へ社内改革にも着手!!



 3月10日公開の「バッテリー」(東宝配給)が期待以上の興行を見せているTBS映画。鑑賞後の満足度はここ数年では稀にみる高さで、興収15億円が視野に入っている。1月27日に公開した「どろろ」(同)も大ヒットしており、06年度のTBS幹事映画累計興収は150億円を超えそうな勢いで、そうなればTBS映画製作史上の新記録達成となる。
 昨年春に事業本部コンテンツ事業局長に就任したばかりの信国一朗氏は、「たまたま良い作品に恵まれた」と謙遜するが、TBSの映画チームはここ数年で着実に力を付けているのは確かだ。「映画がTVと上手く連動した形で力を増していった」と見ている。
 信国局長は、全社挙げての「Vアップ計画」の取り組みで、TBSの更なる放送外収入増に向けた業務拡大の基本作りに取り組んでおり、その為には映像事業のシェアは大きい。今後の映画製作の更なる展開やコンテンツ事業局の具体的な取り組み、目標などについて聞いた―。



TVと連動した映画


―「どろろ」の最終興収の推移次第ですが、新記録達成となりそうですね。要因は。

信国 当社は10年ほど前から映画ビジネスをはじめ、ようやく数年くらい前から、「陰陽師」や「黄泉がえり」などヒット作が出て、特に06年度に沢山のヒット作が出ました。なぜこうなったかというと、いくつか要素はありますが、その中で我々の映画チームもコンパクトながら、それなりに力を発揮してくれたということ。
 社内的にも5年前よりはTBSが映画を作っていることが認知されてきました。特にこの1年は「日本沈没」「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」「涙そうそう」「どろろ」とですね、相当社内で宣伝をしました。作品の強さももちろんありますが、TVの媒体力も大きかった。全社、各番組で協力してくれて、みんなで映画をやろうよという雰囲気が、社内にも相当出来てきたのです。
 以前のTBSは組織間に壁があって、それぞれでやっていました。ある意味、TBSは長い間放送局らしい会社で、それは別に悪いことではなく、電波を預かっているんだからちゃんとしたものを放送するんだと。例えば情報番組で宣伝をするよりは、ちゃんとしたものを出そうよという意識をもった歴史、社風もあります。そうした中で、自社ものをやることに抵抗があるわけですよ。各現場とも。よそのものをやるのはニュースだけど、自社のものは宣伝だとなりがちでした。でも、ここのところ変わってきて、各作品の宣伝は物凄いものでしたね。これは多分よそ様もビックリされているのではないでしょうか、TBSもここまでやるのかと。それぐらいこの2、3年変わってきている。特にこの1年は大きかったですね。社内が変わってきている時に映画が出てきたというのもありますが、逆に映画もその役割を果たしている。つまり社内の応援で映画が売れる、逆にいい映画を出したことによって社内も一体化するという相互作用だと思うんです。だから、06年度は映画が社内を巻き込んでいくひとつの要素になったかなという気がしていて、あれだけの宣伝をし、作品もいい作品で、興収も伸びるといういい動きになりました。


―映画チームの部屋を設置されたそうですね。

信国 昨年度を見ればライバル他社といい勝負をしていると思うんですよ。ある部分によっては勝っている。ただ我が社は「映画班」でありまして、それではということで「映画部」を作り昇格させます。そういう組織を作って部屋も新たに設置し、「映画で勝負するぞ」という意識をスタッフにも持ってもらい、社内にもわかってもらいたい。今まではどうしても何人かの優秀なプロデューサーがやっていただけなので、やはり組織としてやっていくんだということにしたいと思ったんです。
 映画ビジネスを放送局がどのようにやっていくかというのが大事。放送局というのは最終的にはどっかでTVと連動して、TVをベースにして映画を作り、映画が強くなってTVに戻ってくる。TBSは映画をやってまだ10年、頑張ってきたのはこの5年。でもドラマ作りは50年やっているんですね。映画会社も100年という歴史がありますが、本数で言えばはるかにドラマを作って来たんです。そういうTV局が持っている演出やプロデュースのノウハウ、売れるもののノウハウがあるわけですから、これは毎日視聴率と接しているTV局の方がもしかしたら映画会社よりも嗅覚が鋭いのかもしれません。そういう意味で、我々の持っている蓄積というのが映画に活かせるだろうと。
 でもそれは一方で、映画側からすれば必ずしも全てウェルカムじゃないかもしれない。「TV屋が作る映画」ということで違うかもしれない。ただ、我々はどういうポジションでいくかというと、映画屋さんしか作れないスケール感のあるものがあり、一方でシネカノンさんが作るような「フラガール」とか「パッチギ!」みたいなものもあるだろうし、その間にTV局が作るようなものがあるということ。これはある意味ではTV制作の延長で作っているものと、いくつかの種類があって、我々とすればTVと連動していくものだろうと思うんですよ。
 ただ、それだけというのも違うかなとも思っていて、やはり作品は良くなければいけません。マーケティングだけで映画を作ってしまってはいけないという気はします。でも、我々は放送局なので、あんまりTVをベースにしないところで作り過ぎるのは方針ではない。それはフジテレビさんに学ぶところが凄くあるわけですよね。ドラマで当てて映画を作り、DVDを売るという映画ビジネスが成立している。これは基本的に学ばなければいけません。
 昨年の我々も「涙そうそう」とか「木更津キャッツ」とかTBS制作局のプロデューサー、ディレクターが制作・演出を手掛けたものが大きな流れを作っていて、これが我々の強みだと思っているんです。場合によってはTVの演出家って本数をやっていますから結構上手なんですよね。ですから、TVの演出家にはどんどん作って欲しい。それが先ほど述べた、制作局と編成局と事業局が連動して出来るという意味でも、効率も良いし、これは一番我々が中核とすべきが映画ビジネスだと思っているんです。我々も壁がなくなりつつあり、それができるようになってきました。


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