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レポート:第5回エンターテインメント・エキスポ香港

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レポート:第5回エンターテインメント・エキスポ香港

2009年04月13日

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●デジタル・エンターテイメント・リーダーシップ・フォーラム

 2日目となる24日は、「ローカルなイノベーションとグローバルなコラボレーション:ニュージーランドの首都ウェリントンの成功」というテーマで、「デジタル・エンターテイメント・リーダーシップ・フォーラム」からスタート。ウェリントンのケリー・プレンダーガスト市長、「ロード・オブ・ザ・リング」のプロデューサー、バリー・オズボーン、中国人監督のジャ・ジャンクーらが講演。


●スクリーン誌主催のインターナショナル・カンファレンス


 
 別会場では、スクリーン誌主催のインターナショナル・カンファレンスが行われ、トロント国際映画祭ディレクター、米IFCフィルムズ副社長、オーストラリアのマッドマン・エンターテインメント社マネージング・ディレクターをはじめ6人が登壇。

 アメリカや国際市場におけるアジア・コンテンツの配給について意見が交わされ、「以前はアジア・コンテンツの配給はまだまだニッチ・マーケット向けで難しかったが、黒沢清監督『Tokyo Sonata』、是枝裕和監督『歩いても、歩いても』の高評価、さらにアカデミー賞受賞の『スラムドッグ$ミリオネア』などの成功でやりやすくなってきた」という。

 一方で、映像配信サイト運営者からは、「ユーザーはアジアを含め世界中のコンテンツを今はパソコンで見ているが、既にTVにネットをつなげる環境が整ってきているので、将来的にはTVで配信映像を見るようになるだろう。新しいプラットフォームを作っていく必要があるのではないか」との見方を示した。


●セミナー「香港ポリス・アクション映画の20年」

 さらに、「香港ポリス・アクション映画の20年~『友は風の彼方に』から『窃聴風雲(原題)』までの犯罪映画」と題したセミナーが開催され、方平(ヘンリー・フォン)、陳嘉上(ゴードン・チャン)、李修賢(ダニー・リー)、劉偉強(アンドリュー・ラウ)、章國明(アレックス・チョン)、麦兆輝(アラン・マック)、荘文強(フェリックス・チョン)と、香港ポリス・アクション映画を手掛けてきたプロデューサー、監督、俳優、脚本家の錚々たるメンバーが登壇した。

 
 香港映画界の歴史において、リンゴ・ラム監督、チョウ・ユンファ主演の「友は風の彼方に」(86年)がそれまでのポリス・アクション映画とは一線を画す、いかに衝撃的な作品であったか、そしてジョン・ウー監督の傑作フィルム・ノワール「男たちの挽歌」(チョウ・ユンファ主演/86年)が誕生し、以後、数々の名作が製作され、いかに香港の若手映画人に影響を与え、アンドリュー・ラウ(写真下)、アラン・マック共同監督、アラン・マック、フェリックス・チョン共同脚本の傑作「インファナル・アフェア」へつながっていったかなどが、当人たちの言葉から語られた。

 
 そして、新作「窃聴風雲(原題)」といったさらに新しい香港ポリス・アクション映画を生み出していかなければならないといった趣旨の意見交換などが行われ、香港映画ファンにはもちろん、香港映画界の歴史的にも非常に貴重なセミナーとなった。


●「アジア・コンテンツ・サミット」第1回ワ-キング・セッション

 また、23日・24日の2日間にわたって開かれていた「アジア・コンテンツ・サミット」第1回ワ-キング・セッションが終了。ホスト役をを務めた日本からは、経済産業省商務情報政策局審議官の吉崎正弘氏、同省商務情報政策局文化情報関連産業課長の村上敬亮氏らが出席。今年秋の本開催に向けての準備段階として、香港、韓国、マレーシア、シンガポール、タイ、中国の各国事情を交換した。

 吉崎氏は「各国の事情は違うが、アジア・コンテンツの連携を深めることが重要。本開催に向けて具体的な方向性、またそれまでにやるべき宿題も見えてきた。世界のコンテンツ市場で、アジア・コンテンツが花開くよう協力していきたい」とした。

 なお、夜にはTIFFCOM主催の「ジャパン・ナイト・カクテル」が別会場で開催され、吉崎氏、東京国際映画祭チェアマンの依田巽氏、黒沢清監督、及川中監督、松山ケンイチら今回のエンタメ・エキスポ香港に参加した数多くの関係者が参加した。


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