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『映画ドラえもん』新作は月へ、脚本は辻村

【FREE】『映画ドラえもん』新作は月へ、脚本は辻村

2018年10月17日
 東宝配給、シリーズ39作目『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の製作発表会見が15日、六本木のザ・リッツカールトン東京で開催され、「鍵のない夢を見る」で直木賞、「かがみの孤城」で本屋大賞を受賞するなど話題の作家、辻村深月が脚本を担当することが発表された。辻村に加え、シリーズ3本目の監督を務める八鍬新之介、製作者を代表して梅澤道彦シンエイ動画社長、レギュラー声優の水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、ゲスト声優の広瀬アリス、ロッチ中岡創一、サバンナ高橋茂雄、柳楽優弥、吉田鋼太郎、主題歌「THE GIFT」を歌う平井大の各氏が登壇した。

 1980年・第1作『のび太の恐竜』の公開以来、国民的人気シリーズに成長してきた『映画ドラえもん』。昨年公開『のび太の宝島』は、1989年公開『のび太の日本誕生』の動員420万人の記録を大きく塗り替え、動員470万人を突破し、興行収入も53・7億円をあげる大ヒットとなった。

 39作目の今作では、月にウサギがいると信じたのび太が、ドラえもん、不思議な少年ルナ(広瀬)たちとともに大冒険を繰り広げる。会見冒頭に流れたビデオでは、原作者の藤子・F・不二雄が「僕が生きている間は実現しないんじゃないかと思っていたが、人工衛星がまわり、スプートニクが打ち上げられると、あっという間に莫大な空間で隔てられた月に人間が行っちゃって、僕はテレビに嚙り付いて見ていた」と月への想いを語る場面を紹介した。

 梅澤シンエイ動画社長は、「今作の脚本は辻村先生。本屋大賞を受賞するなど旬な作家で、ドラえもん愛に溢れており、原作事務所の藤子プロの尾崎プロデューサーが辻村さんの言葉の数々にいたく感銘を受け、交渉を重ねてお受けいただくこととなった」と辻村を紹介した。

 辻村は、「5年ほど前に藤子プロさんから脚本依頼があったが、一度お断りした。理由は、ドラえもんのファンであり続けたいから。しかし、その後も、藤子プロさんは、シンエイ動画で映画ドラえもんを手掛けてきたスタッフの方々、藤子先生のご家族に会わせてくださった。藤子先生が亡くなった後、原作がない中でも皆さんの情熱によって、映画ドラえもんが制作されてきたことが分かった。私は1980年生まれで映画ドラえもんと同い年だが、毎年当たり前のように春になれば観させていただいてきたことに感謝を覚えた。私のところに来年のバトンが来るならば、その先の次世代につなげる、そのお手伝いができるならばなんと光栄なことだろうと思い、今回お受けした。藤子先生のドラえもんがなければ、今の私の小説もなかったと思う」と作品に懸ける想いを述べた。八鍬監督は、「辻村先生が脚本を手掛けられたということで、ミステリー要素が増している。前半の見せ場では、謎の転校生ルナ君は一体何者なのか、という点が映画のみどころ」と脚本の内容に触れた。

 同作は2019年3月1日より全国東宝系でロードショーされる。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。