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ポニキャン、道後温泉修理の観光事業化従事

【FREE】ポニキャン、道後温泉修理の観光事業化従事

2018年12月11日
「道後REBORNプロジェクト」始動(左よりつるの、野志、吉村の各氏) 「道後REBORNプロジェクト」始動(左よりつるの、野志、吉村の各氏)

 ポニーキャニオンは、3年前から着手している地域創生事業の一環で受託した、愛媛県松山市の“道後温泉本館保存修理工事を活用した観光資源化事業”のプロジェクト発表会を9日、道後温泉本館前で行った。

 夏目漱石の小説「坊っちゃん」で登場することで知られる観光名所「道後温泉」は、本館が明治の改築から120年を超えて老朽化が進み、2019年1月15日から保存修理工事に入ることが決まっている。温泉の一部は工事中も利用できるものの、修理は約7年にわたり行われる予定で、その間も観光客をつなぎとめることが重要になっている。今回の事業は、その保存修理工事を活用して観光資源化するもので、4社の入札の末、ポニーキャニオンが受託することが決定した。

 発表会には、松山市の野志克仁市長と、ポニーキャニオンの吉村隆社長が出席。事業の名称を「道後REBORNプロジェクト」とし、手塚治虫の名作「火の鳥」とコラボレーションしながらPRしていくことを発表した。野志市長は「国の重要文化財である道後温泉本館は、来年で125年を迎える。この大切な本館を子供や孫の世代まで引き継ぐためには、保存修理工事が必要になる。工事か…とうつむくのではなく、この道後REBORNプロジェクトを通して、市民の皆さんと力を合わせて乗り越える前向きな気持ちを持って保存修理工事に挑みたいと思っている」と今後7年にわたる工事期間に臨む心構えを語った。

 吉村社長は「本館の改修と聞き、ぜひ私どもでお手伝いをしたいと思い、ご提案させて頂いた。その提案の柱が、手塚プロダクションと組んだ『火の鳥』。不死鳥である火の鳥は、今後道後温泉が飛躍するに相応しいキャラクターであり、作品の普遍性は、道後温泉が今後変わらず続けていくというテーマにも合うため、『火の鳥』を提案させて頂いた。これから7年の補修工事に入られるが、営業は続けられるということで、色々な形で弊社が『火の鳥』を使って企画提案し、たくさんのお客さんに来て頂くためにエンターテイメントの力で発信していく」とプロジェクトの概要を述べ、続けて「偶然だが、実は私は道後中学校の卒業生であり、このプロジェクトには特に力が入っている」と、ゆかりの地での事業であることにも触れた。発表会では、手塚プロダクションの手塚るみ子取締役のコメントも読み上げられた。

 事業の詳細は、エリアアライアンス部の熊谷伍朗氏が説明した。それによると、「火の鳥」とのコラボ展開は、工事開始の1月15日からスタート。本館に「火の鳥」の日除け幕や灯篭を設置し、告知ポスターを全国の駅や観光関連施設に掲示。コラボ入浴券も発売開始する。さらに2月からはネイキッド制作によるプロジェクションマッピングを開始。120年前に使用されていた北面入口の再使用にあたり、火の鳥のオブジェも設置する。その後、手塚プロ制作による「火の鳥」のオリジナルアニメーション“道後温泉編”も3年にわたり継続して製作していく。発表会には、同作で声優を務めるつるの剛士も登場し、イベントを盛り上げた。同社は今後も、GWに向けて様々な企画を発信していく予定だ。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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