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ポニーキャニオン他「旧白洲邸武相荘」運営に参画

【FREE】ポニーキャニオン他「旧白洲邸武相荘」運営に参画

2023年03月11日
左から設楽、石阪、牧山桂子、牧山圭男、吉村の各氏 左から設楽、石阪、牧山桂子、牧山圭男、吉村の各氏

 ポニーキャニオンは、東京・町田市にある白洲次郎・正子の旧宅「旧白洲邸武相荘」を運営する株式会社こうげいと1月31日付で業務提携契約を締結。武相荘の運営に参画する。こうげいは、同じく株式会社ビームスとも業務提携契約を結んだほか、3月9日付で町田市と観光連携協定を締結し、新たな体制で集客増に挑戦する。9日には武相荘で記者発表会を行い、白洲夫妻の娘でこうげい代表取締役の牧山桂子氏、桂子氏の夫で武相荘の館長を務める牧山圭男氏、石阪丈一町田市長、設楽洋ビームス代表取締役社長、吉村隆ポニーキャニオン代表取締役社長が出席した。

 白洲夫妻は1943年に鶴川村(1958年に町田市と合併)に引っ越し、すまいを「武相荘」と命名した。今では貴重な茅葺き屋根の建物であり、観光施設としてオープンした2001年10月から今年2月までに、累計87万8000人が訪れた。館長の圭男氏の説明によると、開館初年度や、NHKで白洲次郎のドラマが放送された2009年には、年間で10万人を集客するほど賑わったという。一方で、昨年度はコロナの影響が後を引き、約300日の営業で年間2万5千人程度に留まった。1日平均84人ほどだが、施設を維持していくためには最低でも平均100人程度の集客が必要になるという。

 そこで、ポニーキャニオンとビームスが運営に参画することが決定。次代に向けて継承していく歴史資源として、武相荘を基点とした商品開発、イベント実施、情報発信を行い、主に若者の集客増を図っていく。ポニーキャニオンはエンターテイメント業界で培ったノウハウを地域活性化に生かす事業を2015年から開始しており、これまでに松山市の道後温泉本館の保存修理工事を活用した観光資源事業などを成功させてきた。町田市のシティプロモーション業務も担っている。ビームスも、宮島や西本願寺などの観光名所と協力し、地元の伝統工芸や職人をプロデュースしたストア展開を行うなど、地域活性化に寄与してきた実績を持つ。両社と武相荘、町田市が手を組むことで、従来にない切り口で武相荘をアピールしていく考えだ。具体的な展開は今後固めていくが、まずは5月以降にイラストレーターのキンシオタニ氏や、服飾ジャーナリストの山本晃弘氏によるトークセッションなどを開催する。ポニーキャニオンの吉村社長は「白洲夫妻のレガシー継承はもとより、町田市がより一層活気あふれる街になるよう努力していく」、ビームスの設楽社長は「弊社には『ディレクターズバンク』という、様々なクリエイターが所属する部署があり、そこの人間を起用して色々な形でのご提案をしていこうと思う」と意気込みを示した。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。