閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

ヴェンダース監督×田中泯の短編、TIFF上映

【FREE】ヴェンダース監督×田中泯の短編、TIFF上映

2023年11月01日
 第36回東京国際映画祭4日目の10月26日(木)、ヴィム・ヴェンダース監督の短編映画『Some Body Comes Into the Light』が丸の内TOEIでワールドプレミア上映された。

 ヴェンダースは、映画『PERFECT DAYS』の根底にあるもの、主人公が心の底で感じ取っていたものを、本編とは別に日本での撮影最終日に撮影していた。しかしその映像はあまりに鮮烈で、あまりに引力があり、本編に収まりきらなかった。そして、一つの作品にすることを決めた。

 ワールドプレミアでは、上映前に出演の田中泯、高崎卓馬(プロデュース)、三宅純(音楽)による舞台挨拶を実施。田中は、「『PERFECT DAYS』の撮影現場でヴェンダース監督から踊ってね、と言われた。だから映画の中では一言もしゃべらずに踊っていて。本来ならそれで終わるはずだったんだが、クランクアップの時に、スタジオで踊ったものを撮影させてくれないかと言われて。それで撮影したが、収まらず、こういう映画になった。まさに奇跡としか思えないような出来事で、いまだに自分を疑っている」とコメント。これまでもヴェンダース作品の過去作(『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』)などで音楽を担当したことがある三宅も、「『PERFECT DAYS』の前にヴェンダース監督に会う機会があったので、この映画に関われたらと思っていた。そうしたら、泯さんにスポットを当てた作品をやるんで、何かやってみてくれないかと言われて。二転三転くらいして、過去のアルバムから選曲してもらい、映画のためにリミックスしていただいた。今回はそれを使っている」と今作で印象的に響く音楽について明かした。高崎氏は、「カンヌで役所広司さんが主演男優賞を獲った、その授賞式の帰り道を歩いている時にヴェンダース監督が、泯さんで撮ったあの映像を使って作品をつくりたいという話になった。もともと、『PERFECT DAYS』から生まれた作品だが、それぞれに相関関係があって、意味が深いものになった。これはこれで別の作品になったと思う」と自負を語った。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。