演歌歌手の千葉一夫が、ニューシングル「めぐり逢いたいもう一度」(キングレコード)を8月19日に発売した。1980年に「君に逢いたい」でデビューしてから節目となる50枚目のシングル。表題曲は、別れた女性への尽きない後悔と、叶わぬ願いを綴った哀愁歌で、作詞を本橋夏蘭、作曲を花笠薫、編曲を伊戸のりおが手がけた。
今作の原点は、2004年に発表したシングル「男笠」のカップリング曲「いつか再会(あえ)たら」。自身の中では異色のムード歌謡調の作品で、コンサートやディナーショーの最後に歌い続けてきた。ソフト路線でファンからの支持も厚く「こういうイメージで勝負できないか」と、いつか同じような雰囲気の歌に取り組みたいと考えていた。新曲は、その柔らかさを受け継ぎながら「気持ち演歌っぽく」仕上げた。
主人公は、若さゆえに本当の気持ちを伝えられず、失って初めて愛の深さに気付く男性。「抒情的な風景が浮かんでくる歌が好きなんです」という千葉は、歌詞の中でも1番の冒頭「雨に咲いてるすずらんが~」、3番の冒頭「霧笛遠くに聞きながら~」をお気に入りのフレーズに挙げる。
■心に残っていた2曲
カップリングには「明石海峡」と「鳥居川みれん」を収録。これまでに発表した中でも「心に残っていた」「引っかかっていた」2曲だという。
「明石海峡」は、2008年にリリースしたシングル「秋保の宿」のカップリング曲。ワルツのリズムが印象的な癒し系の作品で、ファンも多く「歌っていても自分の気持ちが癒やされる」と話す。
「鳥居川みれん」は、1997年発表のアルバム「千葉一夫 全曲集」の収録曲。これまでコンサートなどでほとんど歌ったことがなく、知る人ぞ知る曲だったが、自身の声質や持ち味があらわれた自信作として「いつか世に出したい」と考えていた。コロナ禍にユーチューブで歌唱動画を公開したところ大きな反響があり「ファンの皆さんが反応してくれたのは嬉しかった」。カラオケの音源が収録されるのは今回が初となる。
千葉県銚子市の出身。中学生の頃から歌手を目指した。高校卒業後は国鉄(現JR)に入社。働きながらオーディションに応募し、25歳で退社して上京。作曲家の弦哲也氏に師事し、一番弟子として1980年にデビューした。“各駅停車”のように着実に歩みを重ね、2023年に「男の未練」で日本歌手協会の最優秀歌唱賞を受賞した。
8月30日に東京・アンフェリシオン亀戸で新曲発表会を開く。ファンが参加できるカラオケコーナーも設ける。対象曲は、新曲「めぐり逢いたいもう一度」、カップリング曲「明石海峡」「鳥居川みれん」の計3曲。「あらためて昭和の演歌、演歌の王道にも挑戦していただきたい」と話す。