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日芸映画学科、初の学外映画祭 国内外12作品で“叛逆の1968年”特集

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日芸映画学科、初の学外映画祭 国内外12作品で“叛逆の1968年”特集

2012年01月27日

 日大芸術学部映画学科の学生たちが、授業の一環として取り組む「映画祭 1968」が、1月28日(土)に開幕。2月3日(金)までの一週間、東京・オーディトリウム渋谷で開催される。伝統ある同校にあって、学外で有料の映画上映イベントを行うのは今回が初めてだという。学生運動全盛の1968年をテーマにした刺激的な企画で、成功を目指す。

 理論評論コースの3年生たちが、昨年5月公開された「マイ・バック・ページ」(山下敦弘監督)に刺激を受け企画を立ち上げた。同作のように学生運動をテーマにした映画を集め、現代の学生の手で一挙に特集する試み。国内外から12作品をラインナップした。

 作品選定から、映画会社や劇場との上映交渉、宣伝広報に至るまで、学生たちがプロの手を借りずに奔走。所在不明になっていた「日大闘争」(68年・日大全共闘映画班)、「続日大闘争」(同)のフィルムも探し出した。両作品のフィルム上映は、実に約15年ぶりとなる。
 
 約半年の準備期間を経て、いよいよ本を迎える。「マイ・バック・ページ」で初めて学生運動について知ったというイマドキの若者が、40年前に社会・政治に叛逆した同世代の姿をどのように見つめ、映画祭全体を通してどんなメッセージを発信してくれるか、期待したい。

 学生たちは「この映画祭で、学生運動の是非や偏見から捉えられがちなそれらの革新的な『映画』を、今の学生の視点で、改めて評価したい。この映画祭の中には暴力と非合法性があるかもしれない。しかしそのフィルムに焼きついている『新しさ』を求めて、映画を上映します」と意気込んでいる。

 当日料金は一般1200円、学生1000円、3回券2700円。山下監督をはじめ、「光の雨」(01年)の高橋伴明監督、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(08年)の若松孝二監督ら上映作品関係者も多数来場する予定。連日トークショーが行われる。スケジュールなど詳細は公式サイトで。


「映画祭 1968」(1月28日~2月3日/オ―ディトリウム渋谷)ラインナップ

『圧殺の森 高崎経済大学』(67年 小川紳介監督)
『日大闘争』(68年 日大全共闘映画班)、『続日大闘争』(同)
『絞死刑』(68年 大島渚監督)
『緋牡丹博徒』(68年 山下耕作監督)
『東風』(69年 ジャン=リュック・ゴダール監督)
『パルチザン前史』(69年 土本典昭監督)
『死者よ来たりて我が退路を断て』(69年 グループびじょん)
『光の雨』(01年 高橋伴明監督)
『ドリーマーズ』(03年 ベルナルド・ベルトルッチ監督)
『69 sixty nine』(04年 李相日監督)
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08年 若松孝二監督)
『マイ・バック・ページ』(11年 山下敦弘監督)


>>「映画祭 1968」公式サイト

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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