特定非営利活動法人 映像産業振興機構:①映像業界における人材育成事業 運営担当②コンテンツ業界に特化した人材育成事業 運営担当③出版・ゲーム事業部マネージャー④コンテンツ産業の海外展開・新市場創出促進事業 運営担当
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邦画と洋画、実写とアニメを問わず、大作、話題作がひしめいた2016年の夏興行。下馬評を覆してトップを制したのは、東宝が製作・配給した『シン・ゴジラ』だった。2年前のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』があげた興収32億円が一つの目安になると思われたが、結果はその2倍を大きく上回り、10月16日現在で77億8千万円を記録。80億円突破が目前に迫り(11月16日に突破)、さらなるロングラン興行が見込まれている。
日本で製作されたゴジラとしては29作目となった『シン・ゴジラ』は、総監督に庵野秀明という稀代のクリエイターを得て、60年を超えるゴジラの長い歴史において、新たな領域を切り開いた。
東宝が製作するゴジラは、04年12月公開の『ゴジラ FINAL WARS』以来だった。前作の12年前には想像もできなかったほど加速度的に普及したネット社会を背景に、公開初日まで情報統制が敷かれていた『シン・ゴジラ』を取り巻く熱気は一気に拡散。作品に対する圧倒的な高評価と、観客自らが発信源となるSNSが相乗的に効果を発揮。リピーターの続出、女性層の獲得といった過去のゴジラにはなかった様々な展開をみせ、まさに社会現象という事態にまで発展した。16年の映画界を代表する作品の1本になったとの評は過言ではないだろう。
実はこの『シン・ゴジラ』、東宝にとって、これまでのゴジラシリーズにも増して、重要な位置づけにあった。なぜなら、東宝が大きく掲げるゴジラの方針、いわば「ゴジラ戦略」の中核を成しているからだ。
東宝は14年10月に社内組織として「ゴジコン(ゴジラ戦略会議)」を発足。ゴジラに関する情報を集約し、キャラクターとしてのゴジラをさらに育て、収益機会の拡大を目指している。また、15年4月に発表した中期経営戦略では、ゴジラのキャラクター展開に重点投資する考えを表明。中期戦略に書かれた映画作品やキャラクター名は「ゴジラ」以外はなく、東宝におけるゴジラのプライオリティの高さを明示していたのだった。
こうしたゴジラ戦略のもと、『シン・ゴジラ』は製作・公開。それに連動し、ゴジラ版権の積極的運用、劇場用アニメ作品の製作、ハリウッド版ゴジラのシリーズ化、新宿歌舞伎町のゴジラヘッド、それ以外にも多種多様な種が蒔かれ、これから互いに成長し合うことが求められる。そんな状況下で、映画の特大ヒットによって、東宝のゴジラ戦略は好循環に向けて幸先の良いスタートを切ったのだった。
今回の特集では、東宝のゴジラ戦略に肉薄する。その全体像をしっかり捉えつつ、4人のキーマンにインタビューを実施。まずは『シン・ゴジラ』の製作面と宣伝面に迫り、さらにハリウッド版への関わり、アニメ版の進捗、新宿東宝ビルと歌舞伎町の現状、拡大するゴジラ版権など、ゴジラをめぐる現在と未来を様々な角度から照射していく――。
今の日本に初めてゴジラが現れた時、我々はいったいどうなるのか。そうしたテーマ性、徹底した取材に基づいた迫真のストーリー、ゴジラの造形を含む映像の持つ吸引力、庵野総監督以下のスタッフ構成、主役級が居並ぶ328人ものキャスト陣と、規格外の映画として完成した。エグゼクティブプロデューサーとして『シン・ゴジラ』の製作面を束ねたのが、映画企画部の山内章弘部長(=写真)だ。