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第5回「日本ホラー映画大賞」準備開始、UNITED PRODUCTIONSが賞起点の事業を構想

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第5回「日本ホラー映画大賞」準備開始、UNITED PRODUCTIONSが賞起点の事業を構想

2026年07月30日
 下津優太監督(『みなに幸あれ』)や近藤亮太監督(『ミッシング・チャイルド・テープ』)ら有力なクリエイターを続々と輩出している「日本ホラー映画大賞」は、第5回の開催に向けて準備が始まっている。詳細は未定だが、2027年後半を目途に行われる予定だ。前回から共催で参画したKeyHolderが主催となり、傘下の制作会社UNITED PRODUCTIONS(以下、UP)が運営と受賞者の映像製作を担っていく。
※この記事は、2026年7月17日付「日刊文化通信速報【映画版】」で掲載したものです。

 日本ホラー映画大賞は、KADOKAWAが音頭を取り2021年に立ち上がった、日本では珍しいホラー映画に特化したコンペティション。大賞を受賞したクリエイターは、応募作品のリメイク版、または完全オリジナル新作映画を監督できる権利が付与されることもあり、毎年100本規模のホラー映画が応募されてきた。下津優太監督は、第1回の大賞受賞作短編を長編映画化した『みなに幸あれ』(24年1月公開)で商業監督デビュー。今年に入ると米ハリウッドのカプラン・ペローン・エンターテインメントとマネジメント契約を結んだことを発表し、6月からは新作映画『NEW GROUP』が公開されている。第2回大賞の近藤亮太監督は25年1月に公開した『ミッシング・チャイルド・テープ』がスマッシュヒットとなり、今年9月公開『5秒で完全犯罪を生成する方法』の監督も務めている。第3回大賞の片桐絵梨子監督は新作映画の準備が進んでいるほか、現在公開中の『氷血』の脚本を担当した。大賞受賞者以外からも、第1回で豆魚雷賞を受賞した武田真悟監督が現在公開中の『祝山』で劇場長編デビュー。日本ホラー映画大賞は、わずか4回にして、新鋭クリエイターの登竜門としての地位を確立しつつある。

 では、映画業界注目の同賞に、なぜKeyHolderが共催として携わることが決まったのか。UPの配給レーベル「KeyHolder Pictures」のアドバイザーを務める井上伸一郎氏が経緯を説明する。「KADOKAWAさんからお声掛け頂きました。私も(ディストリビューション事業部CDOの)鈴木さとるもKADOKAWA出身なので気心が知れていましたし、日本ホラー映画大賞に第1回から協賛している『闇』という会社はKeyHolderのグループ会社なので、非常に親和性がありました」。UP自体も、配給レーベル「KeyHolder Pictures」の立ち上げ当初からホラー映画を最注力ジャンルに位置付けており、これ以上ない掛け合わせとなる。


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KeyHolder Picturesのアドバイザーを務める井上伸一郎氏


 日本ホラー映画大賞を起点とした事業展開の構想も、すでにかなり膨らんでいるという。その一つが、発掘したクリエイターのエージェント事業だ。「才能のある監督を、国内外に売り込んでいくサポートを手掛けたいと思っています」と井上氏。制作プロダクションであるUPにはもともと多くの監督、助監督が所属しており、同賞で縁ができたクリエイターとも積極的に連携していく意向を持つ。理想像に掲げるのは、米国の映画会社「A24」だ。エッジの効いた作品の数々を送り出し、日本でも高い知名度を誇るA24は、『ミッドサマー』や『X エックス』、『LAMB/ラム』など、配給作品に占めるホラージャンルの割合が高いのが特徴であり、アリ・アスター、アレックス・ガーランド、タイ・ウェストなど、同じ監督と何度もタッグを組んで名を揚げていくのが持ち味。このスタイルにならい、UPでも日本ホラー映画大賞で発掘した監督を、ゆくゆくは自社作品の顔となるようなビッグネームに育てていきたい考えだ。いま米国でユーチューブ出身の若手監督による『オブセッション 純愛』、『バックルームズ』が旋風を巻き起こしていることも刺激になっているという。

 また、ホラー映画に注力していく上で欠かせない要素が、グループ会社「闇」との連携だ。多くのホラーイベントを手掛ける一方で、近年は映画の制作や宣伝にも関わるようになるなど、ホラーに関する知見を映像事業にも活かしている闇が、グループ間シナジーを図るべく、UPと共にホラー映画の製作に取り掛かっている。KeyHolder Pictures配給で来年以降公開させていく見込みだ。さらに、闇が先ごろ、ホラー専門の国際映画祭「闇国際映画祭 YAMI International Film Festival」を立ち上げたのもトピックの一つ。第1回は今年11月20~26日にヒューマントラストシネマ渋谷で開催することが決まった。日本ホラー映画大賞との連動はまだ決まっていないものの、すでに両社間で協議が始まっており、効果的な展開を模索していくという。

 井上氏は「私はアニメに関する事業に長く携わり、日本コンテンツとしてアニメが国境を飛び越え、海外でも広く見られるようになった状況を目の当たりにしてきましたが、その次に(海外に)行けるのはホラーコンテンツだと思っています」とホラージャンルに高い期待を寄せる。自身は日本ホラー映画大賞に第1回からチェアマンとして携わっているが、「応募作品は年を追うごとに全体レベルが高くなっています。第1回は玉石混交という感じでしたが、第4回ともなると完成度が高い作品が多く、大賞を受賞した山城研二監督の『chorus(コーラス)』は、今までで一番怖かったです」と、賞の右肩上がりの発展にも目を細める。一方、KeyHolder Picturesのホラー映画の展開については「まだ配給会社として始まったばかりなので、いきなり大規模な公開というよりも、まずは適切な公開規模でしっかりと実績を作っていきたいと思います。ホラーを基軸に、この業界で確たる立ち位置を築いていきたいです」と一歩一歩着実に歩みを進めていく考えを述べる。

 (取材 平池由典)

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