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インタビュー:奥田誠治 日本テレビコンテンツ事業局コンテンツセンターEP

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インタビュー:奥田誠治 日本テレビコンテンツ事業局コンテンツセンターEP

2009年05月18日

日活との関係は現場的に変わらないことが利点

 劇場で回収することを今年の目標に積み重ね
 新たな座組み、ドラマ映画化、恋愛もの等待機


 
 スタジオジブリ「崖の上のポニョ」の大ヒットをはじめ、08年に製作した映画作品が次々とヒットした“日本テレビの映画事業”。
 映連発表と同じ区切りで08年(08年1月1日~12月31日)の成績を見ると、日本テレビの映画事業は過去最高となる合計興収327億円を達成した。その後、09年年明け早々には、日活の株式を取得し筆頭株主になるという新たな展開も浮上し、今後の日本テレビ映画事業の展開に、業界の注目が集まっている。
 そこで、日本テレビ・映画事業のキーマンであるコンテンツセンターEPの奥田誠治氏に話を聞いた。





プロダクション、企画制作の日活

 ―― やはり今お話を伺うということで、業界注目の日活株式取得の話からお願いします。先日、日本テレビが日活の株式を取得するという発表をされましたが、それにより日本テレビの映画事業がどうなっていくのか、もう少しわかりやすく教えてもらえますか。

奥田 この話をするにはまず、日本テレビと日活とのこれまでの映画事業での関係性から説明します。最近ではご存知のとおり、日活の佐藤直樹社長に撮影所のことをお願いしお力添えも頂いて成功した「デスノート」(金子修介監督)の実績があります。しかし、そのずっと前から私たちと佐藤直樹さんとはつながっています。そのつながりは、佐藤さんが徳間大映のプロデューサーだった時の「ガメラ」3作品の頃にさかのぼり、プロデューサーとして一緒に仕事をしてきた関係です。「ガメラ」3作の後には、角川映画とやった「着信アリ」の3作品があり、そして「妖怪大戦争」へとつながっています。日本テレビの映画事業にとって佐藤さんは、プロデューサーとしてずっと信頼し、ともに歩んできた関係にあるんです。まずその上で、佐藤直樹さんがやる企画であれば全面的に信頼して、やろうと決断できる関係になったことが大きな流れとしてあります。その上で現在は、佐藤さんとの関係は、日本テレビの映画事業にとっての何本かの柱のうちの1つに至っています。

 ―― 日本テレビの映画事業において、重要な位置づけでともに歩んできたわけですね。

奥田 そうです。その上で、日活さん関連について私から話せることは意外と少ないのですが…。日活さんについては、(日テレが日活の筆頭株主になって)これからより綿密な関係にはなると聞いています。
これまでの日活さんのビジネスのやり方もうまくいっていたと思いますし、(株主が変わっても)基本的にはこれまでの日活さんの業務の進め方と変わらずに続いていくと聞いています。
また、日本テレビ映画事業としても、例えば撮影所について言えば、これまで我々は、東宝、東映、日活など各社さんの撮影所を使って映画を制作してきた訳ですが、(日活の株式を取得したからといって)今後は日活撮影所だけで作るようになる、というような事は有り得ないし、それは逆にこれまで各社と培ってきたビジネス的展開・関係性を止めてしまうこととなるので、それは損だと思います。
元々日活さんとは、映画事業以外も含めて通常の業務での接点も多いので、(現場的には)これまでどおり変わらずにやっていこうということを確認しています。言い換えると、作る現場としては、これまでと変わらない状況で仕事ができるということを確保できることが、日活株式取得の最大のメリットのように感じています。今公開中の「ヤッターマン」に関しても、日活さんとの向き合いの中から出てきた企画であって、その作業の最中に株式取得の発表があったので、それがこれまで続けてきた作業の妨げにならないようにと思っていたくらいですから。

 ―― としますと、日テレと日活のこれまでの関係性を、さらに濃い関係にするために、映画事業部が日活の株式取得について日テレ上層部へと持ち上げた話ではないということですね。

奥田 そうです。今回の判断については、いろいろなことが絡んでの経営判断だと思います。日テレの経営判断の下で日活の株式取得が決まり、その中で映画事業としては、日活株取得のメリットは、これまでと変わらずに日活さんと仕事ができるという環境がまずは確保できたことだと捉えているということです
日本テレビが日活さんの株を取得しても、映画事業が日活さんを動かしていくわけではないですし。我々映画事業部の仕事は、これまでと変わらず、各社さんと協力し合いながら、いい企画を生み出し成功させることです。
こういったスタンスの上に、先日発表した部分となりますが、日本テレビが株取得を決めたことにより映画事業面において、今後とも日活との連携強化も図られ、また映像コンテンツ分野において高品質なコンテンツ制作といったシナジー効果もより一層期待できると思われます。結果、収益向上に結びつくでしょう。


変わらないことがメリット

奥田 日活さんは一緒にやるにふさわしい会社さんであり、とてもやりやすい、いいパートナーだと思います。ですが、我々としてもこれまでと変わらず、ビジネスとして成り立たせられるかを見極めて企画を選んでいくというスタンスは全く変わりません。日活さんにオリジナルの企画があれば、これまで同様に我々とも向き合って、一緒にやれるものだと判断できればやるし、やらないということも当然あるでしょう。それはそれでこれはこれです。これまでと変わらない関係でやっていけることが一番よいことだと感じています。
また日本テレビの映画事業としても、ここ数年は実写に力をいれてやってきて、「デスノート」をはじめ、ロボットさんと組んで出来上がった「三丁目の夕日」や、東宝さんと積み上げてできた「マリと子犬の物語」等々、新たな関係を生み出してきました。この、企画によりそれぞれいいところと一緒に作っていく、という流れ・方向性は今後も全く変わりません。
そこで、やはり重要となるのは、全ては企画次第ということ。いい企画でなければならないということです。
我々は、いろいろな仕事でいろいろな人たちと向き合い、その上でお互いの信頼関係を築きあげていると思いますし、その築いた信頼関係が佐藤社長との間にもあると考えていますから。
(日活の筆頭株主になったこととは関係なく)我々は、これまでと同じく邦画3社さんともやっていくし、ワーナーさんともROBOTさんとも、また「かもめ食堂」「めがね」のシャシャ・コーポレーションさんのところともやっていくつもりです。またアニメーションでも、ジブリを筆頭にプロダクションIGともマッドハウスともトムスさんとも、それに庵野監督のスタジオカラーさんとも、今後もよい関係でいきたいと思っていますので。

 ―― では、映画事業としては、これまでの方針と変わらず全方位外交でこれまで積み上げてきた各社さんとの関係を大事にしながら企画ごとに協力しあい、いい企画を選び成功させることに注力していくということと、日活さんともこれまでと変わらない関係で仕事を続け、その上で日活さんとはコンテンツ制作面でのシナジー効果を期待していくというスタンス、ということになりますか。
 
奥田 そうですね。
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