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大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.25

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大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.25

2011年04月12日

◎今年の春興行、米映画の実写娯楽大作が低調

 先週、本紙で大震災後となった今年の春興行の作品別最終興収の見通しをまとめたが、改めてここで記しておこう。昨年との単純な比較は、あえてしないでおく。

(1)「SP 革命篇」=30~32億円
(2)「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」=26~28億円
(3)「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団~」=23~25億円
(4)「塔の上のラプンツェル」=22~23億円
(5)「ツーリスト」=17~18億円
(6)「英国王のスピーチ」=12~13億円
(7)「映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花」=9~10億円(数字は一部推定)。

 先週の本紙に記した順位、興収とは、若干の修正を行ったことを言っておく。この土日(4月9、10日)の興行推移から、少し見通しに変化が出たからで、こうしたことはよくあることである。興収見通しというものは、本当に難しい。

 ところで、今年の春興行の全体を見てみると、ファミリー映画の強さが目立ったのが特徴的だろう。この時期、公開延期の作品が数本あり、これは大方、大人の観客が対象の作品であった。この層が関心を抱く作品が減り、全体の興行傾向に影響が出たのである。

 トップ確実の「SP 革命篇」は、本来なら最終40億円も見込めたというが、健闘であろう。岡田准一の人気と新機軸のアクションものが、幅広い女性層、カップルらの支持を受けた。賛否はあろうが、中身の浸透力の点で効力を発揮する2部作作品のメリット部分が大きかったのは、言うまでもない。

 「映画ドラえもん」は、30周年の記念作品であった前作(最終31億6千万円)と比べると少し低調だが、中身の評判の良さは確実に子どもたちに届いたと言えよう。「ナルニア国物語~」は、前作のパート2が最終30億円だったので、今回は3D版上映があったことを考慮すれば、もう少しといったところだ。

 「塔の上のラプンツェル」は、良質な中身に定評のあるディズニーらしさが出た興行だった。ただ、キャラクター映画ではないので、広がりは今一つであった。ファンタジーではない米映画の実写娯楽大作では、「ツーリスト」が唯一入っているが、デップとジョリーの共演作としては、物足りない成績だと言える。米映画の厳しさは相変わらず続いているが、こうした傾向が続くと、映画興行はなかなか一点突破ができない。

(大高宏雄)
 



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