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“松山千春役”に選ばれた友和・百恵夫妻の長男・三浦祐太朗

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“松山千春役”に選ばれた友和・百恵夫妻の長男・三浦祐太朗

2012年03月07日
 文化通信社が創立60周年の記念事業として主催する舞台公演「旅立ち―足寄より―」の主役・松山千春役を決めるオーディションが先ごろ、東京・有楽町のニッポン放送イマジンスタジオで行われ三浦祐太朗(27)が選ばれた。祐太朗は俳優の三浦友和と元歌手・山口百恵夫妻の長男だが、今回のオーディションに「これまでにない緊張感を味わった。それだけに(選ばれたことは)一番嬉しい」と率直に述べていた。

 「旅立ち―足寄より―」は、言うまでもなくフォークシンガー松山千春の生き様を描いたもの。原作は、千春の自伝的小説「足寄より」。77年に「旅立ち」でデビューして2年後の79年に発刊された小説で、当時23歳の千春が自らの生い立ち、生き方、そしてデビューするまでを描いたものとして話題となり当時、70万部を超える大ベストセラーとなった。

 その舞台化の主役に全国から823人の応募があった。そして、その中から第2次審査を通過した9人が最終のファイナルステージに立った。

 ところで、今回の話題は何と言っても“二世タレント”の対決だった。

 “友和・百恵ジュニア”の三浦祐太朗以外にも、鳥羽一郎の長男・木村竜蔵(23)、さらにはロス・インディオスに初代女性ボーカリストとして参加した故・シルヴィアさんの長男・中山貴大(20)の2人も第2次審査を通過したことから一気に注目度が増した。

 3人とも意欲満々だった。と言うのも、木村は06年10月、高校在学中にシングル「愛しい人よ FLOWER」でデビューしており、 現在はシンガー・ソングライターとして活動している。鳥羽のコンサートでも親子共演するなどファンの間では有名な存在だ。「千春役には、所属レコード会社も懸命でした。親の威信にかけても千春役を射止めたかったようだ」(関係者)。

 また、中山は、ロス・インディオスに初代女性ボーカリストとして参加し、現役中は“ロス・インディオス&シルヴィア”としてミリオンヒット曲「別れても好きな人」を歌った故シルヴィアさんの長男。シルヴィアさんは昨年、他界している。そういったこともあって、中山には強力な応援者がいた。シルヴィアさんの後にボーカルとしてロス・インディオスに参加、その後は芸能レポーターに転身した嵯峨聖子が「ミリオン歌手でもあった母の願いは息子にも音楽をやってほしいとするものでした」とプッシュしていた。

 因みに、三浦祐太朗も中学時代からバンド活動を続け、実績は3人のジュニアの中でもピカイチ。しかも、木村同様に08年11月にはロックバンド“Peaky SALT”のボーカルとしてシングル「イトシセツナナミダ」でメジャーデビューもしている。しかし、10年にバンド活動を停止し現在は、バンドから離れソロ活動をしている。

 いずれにしても、熾烈な最終審査となったが、結果は前述した通り三浦祐太朗の頭上に…。

 しかし、祐太朗のグランプリに早速、反応したのがくちさのないネット族だった。

 「出来レース」「親の七光り」…

 しかし、今回の審査は厳正に行われた。審査員に、千春をデビュー以来、見守ってきたファンクラブの会員も加えたことも1つ。おそらく、ファンも審査に加わったオーディションと言うのは初めてのケースだったに違いない。現役のシンガー、それも個性派シンガーでもある松山千春を描く舞台なだけに後々、ファンからの批判を受けたくないと言う気持ちもあった。

 いずれにしても、今回の祐太朗のグランプリには審査員の誰もが違和感を感じなかったはずだ。

 とにかく、祐太朗は努力していた。彼は、「横入り」ではなく、昨年の暮れに郵送で応募してきた。その後、二次審査も受け、当日は寒い中、他の合格者と同様に会場のニッポン放送前に集まり待機した。全く差別のない審査を行った。しかし、彼が他の合格者とは明らかに違っていたのは審査を前に舞台の原作にもなっている「足寄より」を熟読し、さらに4年前に製作され公開された映画「旅立ち~足寄より」も自らDVDを購入、何度も観て千春を研究してきた。しかも、彼は、ギターを千春と同じ“2フィンガー”(千春の独特の弾き方でアルペジオの奏法)で演奏してみせた。彼は、映画版「旅立ち」で千春役を演じた大東俊介に「負けたくない」と思ったようだ。

 彼の場合は、何をやっても「親の七光り」と揶揄されてきただけに、人一倍努力をしてきている。そういった地道な努力の積み重ねが今回の審査では明確に出ていた。審査委員長を務めた音楽評論家の富澤一誠氏も「正直言って審査をやって二重丸は、三浦だけだった」と言うほどだった。

 しかも、彼が、こういったオーディションに出るのは初めてだという。三浦友和と百恵夫妻の長男と言う、誰から見てもサラブレット。その彼が、こういったオーディションに自分の気持ちで出て来るだけでも一大決心だったに違いない。そういった意味でも彼は将来、大物になるに違いない。

 実は、雰囲気としては木村が「千春に近い…」という意見もあった。が「(審査では)100%の実力が出せていなかった。貴大もボーカルは聴きやすかったが総合的な評価は低かった。その結果、特別賞は一般出場者で青森から来たと言う氣仙亮輔君(24)と横浜出身の井上英樹君(23)に輝き、当初、予想されていた“ジュニア決戦”は、祐太朗の独壇場となった。

 そう言えば、かつて、両親が共演した江崎グリコ「アーモンドチョコレート」のCMは、バックの音楽が松山千春の「季節の中で」だった。そういった意味でも、今回の祐太朗の「松山千春役」は縁の深いものを感じた。

 公演は、7月30日から8月3日まで東京・赤坂の草月ホールで行われる。

(渡邉裕二)

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