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視聴率に見るテレビ各局の長時間音楽番組〜日テレ「THE MUSIC DAY」の強さ

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視聴率に見るテレビ各局の長時間音楽番組〜日テレ「THE MUSIC DAY」の強さ

2026年08月24日
NHKを含む民放各局の「大型音楽特番」の視聴率(ビデオリサーチ)が出揃った。その中でも突出した強さを見せたのが7月4日に放送した日本テレビ「THE MUSIC DAY」だった。放送が9時間半という長時間に亘ったのだが、その平均視聴率は世帯が10.0%で、個人が6.6%、コアは7.0%と高数字を弾き出した。続いて安住紳一郎アナと江藤愛アナの二枚看板を司会に据えて8時間に亘って放送したTBS「音楽の日」(7月18日)で、前半が5.9%(個人は3.6%、コアは3.8%)ながらも、後半の19時台は世帯が9.1%で個人は6.2%、コアは6.7%だった。

各局の長時間音楽番組。一言で評したら番組によって明暗がハッキリしたことだろう。要は「人気アーティストを集め、ヒット曲を並べれば視聴者は見る」といった、これまでの音楽番組作りが通用しなくなったと言うことである。

まず、各局の音楽番組の視聴率を見てみる。いずれもビデオリサーチによる関東地区の数字である。

6月13日に「アジア版グラミー賞」などと昨年に引き続いてNHK総合で放送した「MUSIC AWARD」。ニュースを挟んでの放送だったが前半が5.9%、個人3.6%、コア2.9%で、後半は世帯6.3%、個人3.7%、コア3.3%。ネット配信やABEMAでも中継していたとはいえ、音楽団体が一堂に会しての音楽賞で、前宣伝も万全だったことを考慮すると、さすがに反省が求められる厳しい数字だった。

で、民放各局の皮切りとなったのが、テレビ東京が4時間半に亘って放送した「テレ東音楽祭2026 夏」(6月28日)だが、世帯が5.5%で個人は3.4%、コアは3.8%。これは意外に健闘した数字だろう。一方、フジテレビ系「2026歌謡祭 夏」は、元嵐の相葉雅紀と井上清華アナで3時間半に亘って7月1日に放送したが世帯視聴率は6.1%。今のフジテレビのパワーとして「こんなもの」だろう。しかし、個人が3.9%だったのに対して、コアは4.7%と高かった。これは、民放各局が最も注目している“プラチナ視聴者”とも言うべき若者層が見ていたことになる。そういった意味で考えるなら成功だったかもしれない。

因みに、中森明菜が出演して話題となった7月17日放送のテレビ朝日「ミュージックステーション」は、世帯は9.0%だったが個人が5.8%でコアは5.4%だった。この数字をTBS「音楽の日」の世帯視聴率(9.1%)と比較すると、やや若者層を引き込めなかったと言えそうだ。

そんな長時間音楽番組のトリとなったのがNHK総合が8月15日に放送した「NHK夏の音楽祭 うたであえたら」だった。

生放送ではなく事前収録。しかもニュースを挟んでの3部構成となったが、一部は世帯が5.5%(個人は3.3%、コアは2.1%)、二部は世帯が7.4%(個人は4.5%、コアは2.8%)、三部は世帯が6.6%(個人は3.8%、コアは2.4%)という結果だった。Mrs. GREEN APPLEの大森元貴、元嵐の二宮和也、そして俳優の北川景子を司会に据えるなど、NHKとしても力を入れた割には個人、コアには、ほとんど響かなかった。

NHKも、ここ数年は視聴者層の拡大を狙ってか、新たなチャレンジを試みているのは分かる。しかし、ここはかつての「思い出のメロディー」を復活させ、内容も見直した方がいいような気もする。そもそも「NHK夏の音楽祭」の二部は、同時間帯で、テレビ朝日が「池上彰のニュースそうだったのか!! 3時間SP」を放送していたが、こちらは世帯11.1%、個人6.2%と倍近い数字だった。もっともコアは2.6%だったから、若者層では「NHK夏の音楽祭」と大きな差はないが、昭和から令和まで幅広い出演者を揃えたにもかかわらず、本来NHKが強いはずの中高年を十分に引き付けられなかったことだけは確かだ。

――と言うことで、各局の長時間音楽番組を見てきたが、この視聴率の意味するものは何か? 

これは日テレの「THE MUSIC DAY」とTBS「音楽の日」を比較すると分かりやすいだろう。まず「音楽の日」だが、14時から19時までの数字を見てみると前半は世帯が5.9%、個人は3.6%、そしてコアは3.8%だった。ところが後半になると世帯は9.1%と一気にアップ、個人も6.2%、コアは6.7%まで上昇したのだ。これは在宅率が低い午後から始まり、ゴールデン、プライム帯に入って数字が伸びるという、長時間特番として自然な推移だったことが分かる。

ところが「THE MUSIC DAY」の視聴率は、その午後を含めた9時間半全体を1本にしての平均視聴率で世帯が10.0%と2ケタを獲得。個人、コアでも「音楽の日」の強い後半部分を上回った。ニュースなどによる中断は各局とも存在するだけに、今回の数字を条件面だけで説明することも難しいところ。ここは長時間にわたって視聴者をつなぎ留めた「THE MUSIC DAY」の番組力を評価すべきである。

そう考えると、フジテレビの「FNS音楽祭」やNHK「夏の音楽祭」は、今のテレビの長時間音楽番組としては壊滅的な数字ではないものの、ちょっと物足りなさは残るという評価になる。

と言うのも、現在は人気アーティストの楽曲や映像はYouTubeやSNS、配信サービスで好きな時間に楽しめる。「知っているヒット曲が流れる」というだけでは、何時間もテレビの前にいる理由にはならないのである。

その点でも「THE MUSIC DAY」はテレビ的だったわけだ。若手人気アーティストだけでなく、世代を超えて知られるヒット曲、メドレー、コラボ、企画を時間帯ごとに組み合わせていた。番組構成も良かったかもしれない。つまり、単に出演者の差ではない。いわば「アーティストを見る番組」と「番組そのものを楽しませる音楽番組」の違いがあったように思う。

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