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62歳のマッチが今、面白い――NHK出演ラッシュの先に見える11年ぶり紅白復帰

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62歳のマッチが今、面白い――NHK出演ラッシュの先に見える11年ぶり紅白復帰

2026年10月08日

昭和のスーパーアイドル「マッチ」こと近藤真彦が、再び輝きを増している。

今年62歳になった近藤真彦の活躍が目立っているのである。全国各地でコンサートを開催し、年末年始には自ら演出・主演を務める「ギンギラ学園物語」が3年目を迎える。韓国では45年前の代表曲「ギンギラギンにさりげなく」が再ブレイク。さらに最近はNHKへの出演が相次ぎ、11年ぶりとなる紅白歌合戦への復帰説まで浮上している。

それにしても、なぜ今、近藤真彦なのだろうか。

1980年、「スニーカーぶる~す」で歌手デビューした近藤は、田原俊彦、野村義男とともに「たのきんトリオ」として一世を風靡した。80年代の男性アイドルを代表する存在だったが、その後はモータースポーツの世界にも進出。KONDO RACINGを率いるなど、芸能界とは異なる分野でも実績を積み重ねてきた。

2021年には長年所属したジャニーズ事務所を退所。独立後は自らのペースで活動を続けてきたが、還暦を過ぎた今、再び歌手としての存在感を高めている。

興味深いのは、その原動力が単なる昭和への郷愁だけではないことだ。さらに象徴的なのが韓国での人気である。

1981年発売の「ギンギラギンにさりげなく」が、40年以上の時を経て韓国で注目を集めている。きっかけの一つは、韓国の音楽番組で若い日本人歌手が同曲を披露したことだった。

映像が大きな反響を呼び、近藤をリアルタイムでは知らない若い世代にも楽曲が浸透。今年6月にはソウルで初の単独コンサートを開催し、約1300席が即日完売したという。昭和の日本で大ヒットした曲が、令和の韓国で新しいファンを獲得する。しかも、それが本人の海外公演につながったのだから面白い。

一方、国内で「ギンギラ」の名前を冠して人気を集めているのが「ギンギラ学園物語」だ。

年末年始の明治座公演としてスタートした舞台も今年で3年目。今回は東京・明治座に加え、大阪・新歌舞伎座、名古屋・御園座へと規模を拡大する。構成・脚本は鈴木おさむ。近藤は主演だけでなく演出も手掛け、関根勤、小堺一機ら同時代から活躍する顔ぶれも出演する。

歌あり、笑いありの舞台は、80年代のテレビのバラエティー番組を思わせる。しかし、単に昔の人気者を集めた同窓会ではない。昭和のエンターテインメントが持っていた楽しさを、現在の劇場公演として再構築しているところに面白さがある。しかも、3年目にして東名阪へと広がった。近藤自身が出演するだけでなく、一つの興行を育てているという点も見逃せない。

そして、最近の近藤を語るうえで欠かせないのが野村義男の存在だ。

かつて「たのきんトリオ」として一緒に活動した野村とは、現在もライブを開催。今年7月の近藤のバースデーライブにも野村が参加した。

当時の2人を知るファンにとっては懐かしさもあるだろう。しかし、今の2人は40年以上前とは違う。野村は長年、ギタリストとして独自のキャリアを築いてきた。一方の近藤は、歌手活動とモータースポーツという2つの世界を歩んできた。そんな2人が60代になった今、ボーカリストとギタリストとして同じステージに立つ。若いころの人気を再現するのではなく、それぞれが積み重ねてきた経験を持ち寄って新しい音楽を作る。そこに現在の近藤と野村の魅力があるのではないか。

ここで思い浮かぶのが、もう一人の「たのきん」、田原俊彦である。

田原もまた60代になってなお全国ツアーを続けている。歌って踊る「トシちゃん」というスタイルを守りながら、長年にわたって自らのステージを磨き続けてきた。

一方、近藤は少し違う道を選んだ。

モータースポーツに情熱を注ぎ、芸能活動とは別の世界に自らの居場所を築いた。そのうえで、近年は再び歌手活動の比重を高め、全国ツアー、舞台、テレビ、さらには海外へと活動領域を広げている。田原が「アイドルであり続けること」にこだわってきたとすれば、近藤は「アイドルだった自分を、今の自分にどう生かすか」を考えてきたようにも見える。

もちろん、どちらが優れているという話ではない。同じ時代に人気を分け合った2人が、それぞれ違う道を歩みながら60代になった今も現役としてステージに立ち続けている。そのこと自体が昭和のアイドル文化の底力を物語っている。

そして、ここに来て見逃せないのがNHKとの距離だ。

近藤は10月6日放送の「うたコン」に出演。さらに、その放送前には情報番組「午後LIVE ニュースーン」にも登場した。歌番組だけでなく、情報番組にも顔を見せるなど、NHKでの露出が目立っている。

それだけではない。

NHK関係者によると、今月は人気番組「チコちゃんに叱られる!」への出演も予定され、さらに11月の「うたコン」にも登場するという。

これまでも「NHKのど自慢」やBSの「歌える!J-POP黄金のヒットパレード決定版!」などに出演してきたが、ここに来て、その頻度は一段と高まっている印象だ。もちろん、NHKへの出演が増えたからといって、それがそのまま紅白出場につながるわけではない。しかし、年末の紅白を控えたこの時期に、これだけ出演が相次ぐとなれば、期待を抱きたくなるのも無理はない。関係者の間でも近藤の11年ぶりとなる紅白復帰が有力視され、本人も前向きだという情報がある。

仮に実現すれば2015年以来11年ぶり、通算11回目の出場となる。前回はデビュー35周年の節目で、「ギンギラギンにさりげなく」を歌い、白組のトリを務めた。

あれから11年。

当時は35周年という記念の意味合いが強かったが、今年は少し事情が違う。

国内では「ギンギラ学園物語」が新たな興行として成長し、野村義男とのライブも続いている。海外では代表曲が新しい世代に再発見され、韓国公演まで実現した。そしてNHKの音楽番組への出演も増えている。

つまり、今の近藤には「2026年のマッチ」を紅白で見せるだけの材料があるわけだ。さらに、今年の紅白をめぐっては中森明菜にも復帰説が浮上している。

近藤と明菜といえば、かつて交際していたことでも知られる。長い年月を経て2人がそれぞれ歌手として再び注目されているのも興味深い。もし今年、両者そろって紅白出場となれば、大きなサプライズになるだろう。

もちろん、現時点ではともに正式決定ではない。それでも、昭和の歌謡界を彩ったスターたちが60代になった今、同じ大みそかの舞台に立つ可能性が語られていること自体、時代の巡り合わせを感じさせる。

近藤真彦は、決して過去の栄光だけで生きているわけではない。

40年以上前のヒット曲を大切にしながら、新しい舞台を作り、海外へ活動の場を広げ、かつての仲間とも再び音楽を奏でている。若いころのように「ギンギラギン」と輝くだけではない。62歳になった今だからこそ見せられる輝きがある。昭和のスーパーアイドル「マッチ」は、令和の今も現役であり続けている。だからこそ、今年の紅白復帰説にも注目が集まるのだろう。

果たして、11年ぶりにNHKホールのステージに立つのか。

62歳の近藤真彦が今、面白い。

(渡邉裕二)

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