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レポート:第8回エンターテインメント・エキスポ香港

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レポート:第8回エンターテインメント・エキスポ香港

2012年04月23日

(4/5)



「プロデューサーミーティング:国際共同製作シミュレーション」

 
国際共同製作による新しい映画作りの枠組みとは―

ユニジャパンF@香港.JPG


P1190566.JPG 同日午後には、ユニジャパンエンタテインメントフォーラム@香港「プロデューサーミーティング:国際共同製作シミュレーション」(主催:経済産業省+ユニジャパン)が開催され、冒頭、ユニジャパンの高井英幸理事長(写真左)が「日本では製作が活発に行われている。日本の国際共同製作支援プログラムを活用して頂き、活気あるものにして欲しい」と挨拶。西村隆事務局長(写真右下)が日本の国際共同製作支援事業について説明し、積極的な国際共同製作を呼び掛けた。

P1190561.JPG パネリストとして、野地千秋氏(松竹)、ピート・ライブ氏(フィルム・オークランド)、アラン・ルー氏(深土川市世紀領軍影業投資有限会社/中国)、エスター・コー氏(豊盛華藝電影有限公司/香港)、アディタ・アサラット氏(ポップピクチャーズ/タイ)のアジア各国プロデューサーが登壇。プレゼンターを片原朋子氏(J&Kエンタテインエメント)、モデレーターを富山省吾氏(日本アカデミー賞協会)が務めた。


 昨年に続く今回の本フォーラム@香港では、オセアニアのニュージーランド(NZ)、中国語圏として中国と香港、東南アジアのタイ、そして日本というアジア太平洋地域における4つのエリアのプロデューサーが結集し、共同製作のメリットを最大限生かした製作の合作シミュレーションが試みられた。

P1190587.JPG 片原氏(写真左)が登壇し、昨年のテーマはアジア版「プリティウーマン」だったが、今回のテーマはアジア版3D「三銃士」で、普遍的な物語を取り上げることで、キャスティング、ロケーション撮影、スタジオでの特殊撮影、ポスプロなどについて提案し、合作の実現を目標としてパネルディスカッションが行われた。

 今回は予算規模が日本円で約15億円、予算の内訳と各国の負担額、ロケ地を中国で80%、ニュージーランドで20%、キャストの国籍、スタッフ、収益の配分方法などと、より具体的な提案が下記の通りなされた。



■国際共同製作シミュレーション企画 アジア版3D「三銃士」

Ⅰ.作品ジャンル:3D映画/SF/時代劇/冒険アクション

Ⅱ.撮影方法:①ロケーション撮影、②スタジオでの特殊撮影

Ⅲ.ポスプロ

Ⅳ.予算規模:総予算US18,500,000ドル(日本円約15億円)
  ①予算の内訳:プロダクション費(Above、below合算)=US13,500,000ドル
            ポスプロ費            =US5,000,000ドル
  ②各国の負担額
    中国・香港=US8,200,000ドル(44.2%)
    NZ   =US3,500,000ドル(19.0%)
    タイ   =US1,200,000ドル(6.5%)
    日本   =US5,600,000ドル(30.3%)

Ⅴ.キャストの国籍:クレジットの並び順に表記
 1.若者(原作ではダルタニヤン‐賢く元気な若い剣士) 男 中国・香港1
 2.三銃士1(原作ではアトス‐冷静なリーダー格)    男 日本1
 3.三銃士2(原作ではポルトス‐巨漢でコミカル)     男 NZ1
 4.三銃士3(原作ではアラミス‐洗練された優美な剣士)男 タイ1
 5.恋人(原作ではボナシュー夫人‐若者の想い人)   女 中国・香港2
 6.敵1(原作では枢機卿‐常に4人の敵となる策謀家) 男 日本2
 7.敵2(敵1側の剣士、何度となく4人と戦う)       男 NZ2
 8.庇護者(原作では銃士隊長‐4人の味方)       男 タイ2
 9.王妃(4人の剣士の冒険の発端となる人物)      女 中国・香港3

P1190579.JPGⅥ.スタッフ:監督、撮影、アクション監督、美術、音楽、視覚効果

Ⅶ.収益の配分に関して:各々のベースになるテリトリー
  中国・香港=中国大陸、香港、台湾
  NZ   =NZ、オーストラリア
  タイ   =タイ、インドネシア、マレーシア
  日本   =日本
  その他  =出資比率に応じて分配

 富山氏(写真右)がアジアパシフィック地域で共同製作する意味を問うと。

P1190578.JPG 中国のアラン氏(写真左)は、「中国市場の成長は早く、3D映画は非常に大きな発展を収めている。いくつかの基準は満たさなければいけないが、この『三銃士』のプロジェクトを見て、共同製作できる、マーケットに合うものだと思う」


P1190580.jpg 香港のエスター氏(写真右)は、「香港は中国と比較してマーケットが小さく、ハリウッド映画に依存している。3D映画は主流になりつつあるが、映画の中身も重要で、中国映画は世界へどう出ていくのか、前向きな内容でなければならない。ただ、中国マーケットは大きいので、香港としても協力出来るのではないか」


P1190581.jpg ニュージーランドのピート氏(写真左)は、「今回の企画はチャレンジだと思うが、この予算ならば実行可能だ。もっと予算を増やしてもいい。グローバル化、世界市場全体を狙って、世界各地から優秀なスタッフを募集する。ただ、ニュージーランドとしては、資金が最大の課題だ」


 P1190584.JPGタイのアサラット氏(写真右)は、「タイでは沢山の問題が生じている。120万ドルは我々にとって非常に大きい。我々は政府からもらっている資金はない。独立製作者としては、どのように参加していくのかが、直面している問題だ」


 そして、日本の野地氏(写真左下)は、「日本の実写映画には3D映画が少ない。中国と違って、製作費もどんどん下がってきている。560万ドルは高い金額だ。ただ、若い男性キャストで、イケメンが沢山出て来て、カッコイイ男たちがアクションするならば、ぴったりな企画ではないか」とした。

P1190585.JPG それを受けて富山氏は、「製作費のサイズの問題。日本では3D映画は厳しいと思うが、中国では可能性があるだろう。製作費はアランが何とかしてくれると思う(笑)。中国を中心とした撮影が望ましいが、タイのロケーションの魅力を教えて欲しい」

 アサラット氏は「資金調達では困難なところがあるが、タイには素晴らしい自然がある。これは約束できるし、ポスプロ環境も素晴らしい」と答え、富山氏は「タイの多様性を考えることは大切な要素だ」と分析。

 そして、ピート氏は「ニュージーランド政府のインセンティブには、製作支援資金がある。最高で5000万NZドル。アメリカドルに換算すると非常に大きい。プロジェクトを中国と共同でやっているかが重要だ」と実現の可能性を述べた。

 各国間でクリアしなければならない問題はもちろん数多くあるが、出席したプロデューサーたちからは概ね好意的な意見が寄せられた。時間の都合上、このミーティングで意見をぶつけ合うような場とはならなかったが、富山氏は「このユニットでの実現の可能性が見えたと思う。国際共同製作による新しい映画作りの枠組みを作っていきたい」と締め括った。




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