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トップ・インタビュー:岡田裕介東映(株)代表取締役社長

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トップ・インタビュー:岡田裕介東映(株)代表取締役社長

2008年03月05日
プロデューサー宣伝部制

 ――映画企画製作部企画開発室長の遠藤茂行さんが、兼務で映画宣伝部長代理になりましたね。
岡田 一応、映画宣伝部長代理ですが、基本的には部長です。僕は常々、映画プロデューサー宣伝部制をひいて欲しいということを言っているんですが、彼は私が言わんとすることをわかっているからね、非常に遂行しやすい形になってくるかなと思っています。

 ――製作と宣伝を兼ねるということですか。
岡田 一体化していくということです。製作プロデューサーは、企画を進めるにあたって、宣伝プロデューサーを誰にするのか、そして宣伝方針を最初から話し合っていく方式が、今から非常に望まれています。

 ――遠藤さんは「男たちの大和」では宣伝統括を手掛けていましたね。
岡田 もともと宣伝部出身だからね。ただ、これまで企画で動いていたから、外部からの持ち込み企画に関しては担当を残し、企画開発室長を兼務することにしておいたんです。ただ、これからは宣伝が大変になるから相当頑張らないといけないんじゃないかな…。

 ――そうしますと、映画企画製作部は中曽根千治さん(部長代理兼企画製作室長)と有川俊さん(部長待遇)のウエイトが大きくなるということですね。
岡田 そうだよね。有川くん、中曽根くんを始めとする若手がもっと製作していく形になろうかと思います。

 ――有川さんは入社して2年は経っているのですが、今後何を担当していくのでしょうか。
岡田 映画企画製作部の中で企画管理を担当するのかそれともプロデューサーになるのかまだ決まっていませんが、基本的には何本かプロデューサーをやってもらおうと思っているんです。

 ――具体的な企画があるわけですか。
岡田 僕が何もしないで様子を見ていなさいと言っていたんです。東映という会社に慣れることもあるし、入社してすぐにやり出して波風立ててもうまくいかないですからね。まず、人的なことから始めなさいと言っていたんです。

 ――これまで大西幸記さんが映画営業部長を兼ねて劇場管理部長をされていましたが、今回兼務がとれて新たに劇場管理部長にはティ・ジョイ常務取締役の與田尚志さんが就かれました。いままで作品を売る側と買う側のセクションを同じ人が部長をやっていることが不自然だったわけですね。
岡田 もともと変だよね。東宝さんなんかは明快だよね。そして昨年、興行部門を別会社にしてもっと明快にしましたよね。東映が同じ方向に向かってもおかしくないんじゃないですか。もともと、僕はゆるやかにゆるやかに変えていこうと思っていたんです。今後はティ・ジョイとこの劇場管理部が一緒になるわけではないのですが、考え方としては同じ方向に向かっていくことになります。

 ――直営館は少なくなっているのですが、当面、浜松東映を除いては4サイト7スクリーンは残っていくわけですね。
岡田 浜松を除いては自社物件ですから、閉めるも継続するのも気兼ねなくいつでもできることになりますからね、当面はこの直営館は残っていくことになります。ただ、劇場管理部からチェーン作品ばかり直営館にかけていていいのかという問題も出て来るし、そういうことをもっと映画営業部と自由に討論していくことで、本当に正しい答えが出て来ると見ているんです。東宝さんはシネコン時代が来る前から両者が競って一生懸命やっていました。僕はそれは健全だと思って見ていたんです。もともとそんなになあなあでいくわけないので、今回どういう形になるのか楽しみに見ています。



東映、08年1月1日付で増田久雄氏と優先プロデュース契約

 東映は、映画企画製作部門の強化を図るため「ロックよ、静かに流れよ」「緊急呼出し/エマージェンシーコール」等で知られる(株)プルミエ・インターナショナル代表取締役増田久雄氏と、このほど優先プロデュース契約を結んだ。契約日は08年1月1日。役職は映画企画製作部チーフプロデューサー。契約内容は年間2本程度の邦画系公開作品を企画製作する。
 ▽増田久雄氏略歴 早稲田大学政治経済学部卒業。在学中に1年間休学し、全世界40カ国を無銭旅行。後に、雑誌「トラベルファン」に連載した旅行記が話題になる。一方、大学時代から石原プロモーションの企画製作に携わり、卒業後、石原裕次郎の勧めで石原プロに入社。1975年(株)プルミエ・インターナショナルを設立。テレビ局との提携などによる映画製作の傍ら、小説翻訳、著述、舞台の翻訳・プロデュースも手掛ける。89年独立プロダクション数社で設立した配給会社「アルゴプロジェクト」に参加した。
 ▽主な映画プロデュース作品 「永遠なる武道」「あしたのジョー」(アニメ)「矢沢永吉RUN&RUN」「月光仮面」「チ・ン・ピ・ラ」「ロックよ、静かに流れよ」「君は僕をスキになる」「課長・島耕作」「高校教師」「ヒーローインタビュー」「緊急呼出し/エマージェンシーコール」「バースデイプレゼント」「ラヂオの時間」「ズッコケ三人組」「メッセンジャー」「風を見た少年」(アニメ)「みんなのいえ」「g@me」他多数。

(全文および08年ラインナップなどは月刊誌「文化通信ジャーナル」08年2月号に掲載)



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