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インタビュー:大友克洋監督「蟲師」

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インタビュー:大友克洋監督「蟲師」

2007年03月17日
大友克洋監督の実写映画「蟲師」が公開
 原作コミックの神秘的な世界観を見事に映像化
 豪華なキャストも魅力、自身の新たな代表作に大友克洋監督の実写映画「蟲師」が公開
原作コミックの神秘的な世界観を見事に映像化
豪華なキャストも魅力、自身の新たな代表作に

  「AKIRA」「スチームボーイ」などで世界的な評価を受ける大友克洋監督の最新作「蟲師」が、いよいよ3月24日(土)より渋谷東急ほか全国松竹・東急系で公開される。天才と謳われる大友監督が挑んだ「蟲師」は、累計350万部を超えるベストセラー・コミック。原作者・漆原友紀が描いた蟲師の神秘的な世界を、衝撃的なスペクタクル巨編に昇華させた大友監督に、映画化の経緯、映画に込めた思いなどを語ってもらった。

◆自分の世界がどんどん広がっていった◆

――今回「蟲師」を映画化しようと思った理由は何でしょうか。

「原作となった漫画『蟲師』が非常に面白かったからです。漆原友紀さんが描いた『蟲師』の世界を、ぜひ映画化したいと思いました」

――今回の映画化による大友監督自身の収穫としては、どんなものがありましたか。

「今回非常に面白いと思ったのは、漆原さんの原作の世界観が、僕には殆ど発想できないものだということです。色々な人の感覚、才能と一緒に仕事をするというのは楽しいものです。これまで僕自身も色々な仕事をやってきましたが、自分の描いたものばかり手掛けているとだんだん似通ってしまいます。今回の実写映画の作業もカメラマンがいれば役者さんもいて、そういう方々と一緒に仕事をすることによって、自分が今まで発想しなかったもの、自分の持っていなかったものが出てきたり、自分がどんどん広がっていく感じがしたりするんですよ。これが面白いと思いますし、これからも色々な人と関わって、色々な作品を作り出したいですね」

◆CGの進歩が映画化を後押し◆

――大友監督の実写作品は、1991年の「ワールド アパートメント ホラー」以来です。実際に作ってみて、どんな感想を持ちましたか。当時とはどのような違いがありましたか。

「アニメーションだからこうだとか、実写だからこうだとか、そういうのはあまりないんですね。ただ、当時と比べてCG技術が大幅に進化していて、『蟲師』のような映画を無理して撮らなくていいところまで、CGのレベルが上がっています。でもCGを映画のメインにするということではありません。『蟲師』は特撮映画ではないし、僕の中では全く普通のドラマなんです。想像力や、その想像力から生まれるファンタジックなストーリーが普通に映画として撮れるようになったことも、漆原さんの『蟲師』を映画化したいと思った背景にはあります」

――映画のオープニングでは、波打つような音楽が印象的でした。

「ディジュリドゥという楽器を使っています。オーストラリアの原住民アボリジニーの楽器です。この映画は明治、大正あたりの日本の山間部を舞台にしています。音楽をどうしようかと考えた時に、ディジュリドゥが良いなと思いました。山に雲が湧いてくるオープニングのシーンは、まるで息をしているかのように感じさせる楽器を使いたった。管楽器の音は金属の硬い感じがしますが、尺八や横笛、そしてディジュリドゥなど木で作られた楽器は呼吸に近い感じがあり、情緒的な印象を与えてくれますから」



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