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この「アジア映像政策フォーラム」(Asia Film Plicy Forum,AFPF)は、「ネットワークを越え、アジア映像産業共同体のビジョン」という遠大な目標を立て、08年に第1回を開催。
過去2回のフォーラムでは、アジア各国の映像政策責任者と映画人、フィルムコミッショナーなど映画関係者が初めて出会い、アジア映像産業について診断、互いに協力して行こうという趣旨を共有した。
初日、釜山フィルムコミッション(BFC)のオ・ソクグン運営委員長の開幕宣言で開幕。各国の責任者が基調講演を行い、日本はジャパン・フィルムコミッション理事長の寺脇研氏が登壇。「日本の映画産業はさらに発展をしていき、海外との関係を深めていかなければならないが、映画の中にそれぞれの国の文化・歴史を反映させていかなければならない。映画は、文化・歴史を互いに正しく見つめ合う非常に大きなツールだと思う。産業面も大事だが、文化的な面でも交流していかなければならない。文化を通してアジアの皆様とつながり、共同体を作っていきたい。各国が協定を結び、自由な経済流通を作って、いつかアジアもユーロのように、垣根を取り払っていくことに力を入れていきたい」などと語った。
各国の基調講演の後には昼食会が催され、韓国映画界のドン、釜山国際映画祭ディレクターのキム・ドンホ氏が基調講演を行った。
キム氏は、「アジア映画は急速に成長しており、世界から注目を浴びている。ハリウッドの莫大な支配に対抗し、自国のシェアを占めているが、アジア各国の映画は、言語、独特な映像文化など多くのギャップがあり、交流が活発に行われていなかった。問題はどうすればアジア間の交流を活発化させることができるか。解決のためには共同製作が一番重要な意味をもっている。共同製作の重要性はこの場にいる方々が十分認識されていると思う。その為にはもっと体系的に行われるべきであり、ファンドも積極的に増加することを期待している。私は釜山国際映画祭のディレクターは最後となるが、今回のフォーラムを通じて、アイデアと結果がもたらされ、アジアの全ての映画祭が発展するように願っている」などと語り、大きな拍手を受けた。

続くプレゼンテーション1(写真上)では、「国際共同製作の支援政策ガイド」と題し、活発な支援政策を展開している中国とオーストラリアがプレゼン。
中国申影合作制片公司副社長のMiao Xiao Tian氏は、「中国は、2007年から民間企業が映画、映画産業に出資できるようになり、この開放製作の成果を見て、中国政府は財政的な支援を投入、ファンドを作って、農村部を中心にデジタル装置の購入、補助金を支援している。国レベルほか地方政府でも支援を行っており、新規映画館の設立にも、1つのスクリーンに5万人民元を支援。中国の興収は7年連続で急激な成長を見せている」と現状を説明。
そして、「規定に従っていれば共同製作でも中国映画として認定され、所得税の減免を支援される。中国はすでにカナダ、イタリア、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールの6カ国と協定を結んでおり、この開放政策によって大きく発展した。中国の国際共同製作に関する、一本あたりの予算も増え、中国が主導する作品が増えている。海外との共同制作という貴重な経験をすることができ、この巨大なマーケットへ向けてアジアの国々と一緒に映画製作を強化して、発展を促したい」とした。
スクリーンオーストラリア製作投資総責任者のロス・マシューズ氏は、「中国のような成長の数字は夢のようだ。我々は映画産業が持続的な発展ができるように、アジアと3D長編映画も製作している。06年に共同製作のガイドラインを出し、レベルの向上と持続的な発展を目指して共同製作プロジェクトを準備している。具体的な交渉はこれからだが、韓国とも共感している」などと語り、共同製作の具体的な手続きについて説明した。

その後、議論は各国のインセンティブ、メリットなどに及び、フィルム・ビジネス・アジア代表のパトリック・フラター氏(上写真・右から2番目)は、「映像支援基金は、ヨーロッパの中で短所より長所の方が大きい。ただ、補助金をもらうために、インセンティブだけを狙ってやっている場合もある。支援制度のモデルの短所は、究極的に多様な国籍で締結しようとする。長所は、アジアでも同じような効果を期待できるということ。アジア太平洋地域でユーロのようなものが出来るのか?」とし、ギョンシン氏は「アジア各国が一つの経済共同体になって、考え方を変えなければならない」と主張した。
1時間半という時間の中では結論は出なかったが、今後も引き続き議論を続けていきたいとグァンス氏が締めくくった。
