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東宝(株)映像本部映画調整部 市川南部長に聞く!

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東宝(株)映像本部映画調整部 市川南部長に聞く!

2011年01月29日

満足度の高い作品を確実に製作

 ―では、2011年ですけども、今年も非常に強力な作品が揃ったと思います。今年の番組編成方針や特色などについてお聞かせ下さい。

 市川 10年同様、3本柱ですよね。TV各局さん、アニメーション、自社製作は変わらず。方針というわけではなくて、たまたま特色ですけど、11年は「隙のない番組編成」と言って頂きましたが、各作品がヒットするポテンシャルがある、化ける可能性のある作品が約30本揃っていると思いました。満塁ホームランは出るかわかりませんけど、打率は高いのではないかなと。

 TV各局さんでいうと、東宝が得意としている、大公開、大宣伝というやり方に向いた作品を企画の段階から立案して下さって、お客さんの満足度の高い作品を確実に作って下さっているということだと思います。有難い限りです。10年の「踊る」「海猿」が最たるものですが、実写のシリーズものも増えたのも大いに有難いです。

市川さん④.jpg フジテレビさんは、まず公開中の「僕と妻の1778の物語」、「SP 革命篇」、夏の「映画版 外交官・黒田康作」、「ロック~わんこのしま~」はかつてのフジテレビさんの国民映画的な展開になるのではないでしょうか。それから秋には「アンフェア2」、三谷幸喜監督の最新作「ステキな金縛り」があります。
 日テレさんも「GANTZ」2部作があり、戦争大作「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」、「名探偵コナン」、ジブリさんの「コクリコ坂から」、「カイジ2」、「怪物くん」がありという具合に実に力強いです。
 TBSさんは、2月に「あしたのジョー」があり、6月の「もしドラ」が化けるのではないかと注目です。昨年最も売れた本の映画化であり、前田敦子主演という初のAKB48映画ですよね。下半期は超大作「のぼうの城」があります。
 テレ朝さんは、「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」があり、「岳―ガク―」の企画の段階から一緒にやって下さっていて、監督はテレ朝の片山修さんにお願いして作りました。アニメもジブリさんが2年続くのも幸いです。宮崎吾朗監督「コクリコ坂から」で、先ほどの「ポケモン」「コナン」「ドラえもん」「しんちゃん」「ナルト」の5大シリーズが健在です。自社製作は、「岳」、6月の「星守る犬」、8月後半の「神様のカルテ」、お正月に「friends もののけ島のナキ」とあります。


 ―自社製作ですが、昨年映像制作部を映画企画部に改称するなど組織変更も行ったことで、今後、本数を増やし自社作品のカラーみたいなものを打ち出していかれるのでしょうか。オリジナル作品への挑戦は?

 市川 あまり自社作品のカラーを考えてもお客さんには関係ないので、それぞれ選んだ題材に適した作り方、売り方をしていくということだと思います。「岳」はTVの片山修監督にお願いしましたし、「星守る犬」は「イキガミ」や「犯人に告ぐ」などの瀧本智行監督、今後の日本映画界を担っていく一人ですよね。降旗康男監督の助監督なんかもやっていた現場の助監督経験を踏んできた監督です。「神様のカルテ」は深川栄洋監督で、いまや売れっ子になりましたが、自主映画から出てきたまだ30代半ばの監督。「friends」はアニメを東宝の企画でやるという試み。しかも監督は山崎貴監督。お客さんへ向けたエンタテインメント作品、それに相応しいクリエイターと作っていくということなんですかね。

東宝(洋画系).jpg

 「岳」は「海猿」的なエンタテインメント性と、コミックが持っている小栗旬さん演じる主人公の3枚目的な魅力がほっとさせるようなところもあり、山に行きたくなるような、ちょっと牧歌的な部分があるのが特色です。出来はスペクタクルの迫力と感動のあるいい作品になりました。
 「星守る犬」も2月の上旬に完成しますけど、コミックが原作です。西田敏行さん扮する初老の男がリストラされ、熟年離婚し、ワンちゃんと一緒に放浪の旅に出るという話なんですけど、瀧本監督がしっかりと深い人間ドラマとして撮っています。いま「孤族」というのが話題になっていますが、今を映し出す熟年向けの作品というか、年齢が上の方に向いた作品ですね。「おくりびと」の様な年齢が上の男性、女性それぞれが共感してくれるような映画になっていると思います。
 「神様のカルテ」は、嵐の櫻井翔さんの主演で、原作は昨年の小学館さんのベストセラーです。深川監督の繊細なタッチでいい人間ドラマになりましたね。
 「friends」の方はピクサーばりの3DCGアニメです。これは「泣いた赤おに」(浜田広介原案)という童話をベースにした山崎監督のオリジナルストーリーなんですけど、日本的な感動に加えて、手法は最新鋭の技術で作られているので、日本映画でしか出せない新しいアニメになっていると思います。オリジナルアニメが結果を出せると今後の可能性も広がってきますね。

 それから映画会社同士のコラボレーションも2本あります。角川映画さんの「源氏物語」と、アスミック・エースさんの「のぼうの城」。「のぼうの城」はアスミック・エースさんと共同配給します。

東宝(邦画系).jpg

 結果的に今後は自社製作作品は増えていくのではないかと思いますが、本数を決めてそこに合わせるのではなく、いいものがあればそれは育っていくし、ない時には無理には作らないということが大切かなと。オリジナル脚本についていうと、ここ10年では東宝自社製作でオリジナル脚本はなかったと思いますが、今後は出てくると思います。


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