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東宝(株)映像本部映画調整部 市川南部長に聞く!

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東宝(株)映像本部映画調整部 市川南部長に聞く!

2011年01月29日

若い社内プロデューサーが育ってきた

 ―昨年の結果は、製作者側の力の向上はもちろん、東宝の映画調整部、営業部、宣伝部の見事なチ-ムワークの賜物だと思うのですが、このチームワークの“成熟”のその先にある体制つくりは既に考えられていますか。

 市川 営業・宣伝のことはなんとも言えませんけど、映画調整部、映画企画部の方で言うと、プロデューサーが育ってきました。「告白」「悪人」の川村(元気)、「悪人」は仁平(知世)が企画を立てプロデュースしました。臼井(央)は「ゴールデンスランバー」と「十三人の刺客」、「トリック」は室長の山内(章弘)、「岳」は臼井と遠藤(学)、「星守る犬」は窪田(義弘)、「神様のカルテ」は山内と渋澤(匡哉)、「friends」は川村というように主に30代、渋澤は20代でプロデューサーとして一本立ちしているので、今後はプロデューサーシステムの中から企画が立ち上がってくる仕組みになってくるかなと思います。

 会社の方針が、いいものがあれば作ろうという中で、ある自由度をもって企画開発させてもらった結果だと思います。そういう中から出てきた作品を、いかに当てられるか、次につなげていくのかということですから、“成熟”はあっても、朽ちてしまうかもしれませんから、やはり次々に新しい人材が次を担っていくという風にしなければいけないのでしょうね。

 映画を作る方で言うと、年間1本とか2本作るのと、5本つくるのではちょっと企画の幅が違ってきます。今年で言うと「星守る犬」のようなちょっと年齢が上のターゲットの映画が出てきたり、アニメが混じったり…。全部を新しくすることはないわけで、上手くいっている基本路線はそのままにしておいて、その中でチャレンジングなものも織り交ぜていくことなのかなとは思います。それも結果なんですけどね。


魅力的な作品を作り続けることに尽きる

 ―昨年は、3D作品の大ヒットという特需などもあって年間動員・興収とも前年を上回りましたが、一方で映画人口は伸び悩んでいるようにも感じます。映画人口を増やすには、どうしたらいいのでしょう?

 市川 それは各部門で発想は違いますけど、企画部門にいる我々は本当に魅力的な作品を作り続けることに尽きると思います。幸い近年は東宝で扱う作品で、見てそんなに大きく失敗したと思うような作品というのはなくなってきていると思うんですよ。ただ、お客さんはたまに見てつまらないとしばらく見に行かなくなってしまう。ですから、魅力的な作品を作り続けていくことに尽きるんじゃないでしょうか。一本もはずさないつもりで取り組んでいくしかない。

 共通して言えるのは、まず作品ありきということなんですね。小さい画面でも、家庭のモニターでも、大きな劇場でも魅力的な作品を提供するということに尽きる。ネット配信やVODなど脅威に感じる余裕もないですね。

 日本映画は若い映画ファンに支えられていると思っています。年配のファンがどこまでいるのかそちらが気になります。昨年もヒットしているのは若い人向けの映画が多いですよね。若い人に限らず、全世代の映画ファンの育成ということが必要でしょう。普通30代、40代の男性は映画館に行きませんよね。大学を卒業しても映画を見続ける習慣が出来ればいいわけですが、映画館から卒業させないためにはどうするべきかですね。

 ―ありがとうございました。今年も映画界が盛り上がることを期待しております。(了)
(インタビュー/文・構成:和田隆)

市川さん①.jpg

Profile
市川 南(いちかわ・みなみ)

  
平成元年(89年)学習院大学文学部卒業、東宝株式会社入社。
宣伝部で「千と千尋の神隠し」(01年)等を担当。
平成13年(01年)より映画調整部で配給作品の編成、「世界の中心で、愛をさけぶ」
(04年)「いま、会いにゆきます」(04年)等自社製作作品のプロデューサーを担当。
平成18年(06年)より映画調整部長。







 



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