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山田洋次監督、舞台『東京物語』及び映画『東京家族』について抱負語る

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山田洋次監督、舞台『東京物語』及び映画『東京家族』について抱負語る

2011年11月18日
 昨年の『麦秋』に続き三越劇場新春新派公演『東京物語』(2012年1月2日~24日)の脚本・演出を手掛ける山田洋次監督らが、去る16日葛飾柴又の帝釈天で製作発表会見を行った。

 今回は、山田監督の監督生活50周年記念作品。『麦秋』と同じく小津安二郎監督の名作映画を、舞台を葛飾区金町に置き替え舞台化。キャストは、東京を訪ねる老夫婦とみ(映画では東山千栄子)を水谷八重子、その夫周吉(笠智衆)に安井昌二、次男の未亡人紀子(原節子)に瀬戸摩純、飲み屋の女将加代(櫻むつ子)を英太郎、そして長女志げ(杉村春子)を波乃久里子が演じる。

 山田監督は「小津さんの作品は笠智衆さん、原節子さんら常連のチームワークで作られている。新派の仕事はまさしくチームワークなんだということを『麦秋』を通して理解できた。今回も『麦秋』と同じメンバーで小津安二郎原作で仕事ができることが楽しみだ」と抱負を語る。

 舞台化については、「原作(映画)では東京を訪れた周吉・とみ夫婦は長男の家、娘の家、そして熱海へと東京が転々と描かれるが、(今回の舞台では)周吉ととみ夫婦が泊まる長男の家(葛飾金町の病院)に限定してやる。制約があるがその制約を面白がって作るのが戯曲の特長である。とても難しいけれども面白い仕事だ!」。

 さらに、『東京家族』という題名で現代を舞台にした映画を撮ることについては、「(紀子の出身地を宮城県石巻市に設定)“彼女の故郷は常磐線で仙台まで行き、そこで仙石線に乗り替えて終点の石巻。海沿いの漁業が盛んな町が紀子の故郷”と(台本に)出てくる。この(周吉ら)平山一家は、広島・尾道の人たちです。西国の人たちですから、紀子さんの故郷の石巻の風景はなかなか想像ができない。太平洋の荒々しい光景は瀬戸内海の穏やかな海沿いに育った人たちにはなかなか想像ができない。そんな会話があるのですが、今の観客であれば、石巻が今日どうなっているのか皆わかります。そこを重ね合わせており、それを意識して作ったつもりです。」と震災の影響を反映した日本人の心の内面も描く内容であることもコメントしている。

(代表取締役社長:指田 洋)

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