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レポート:第3回声優アワード&東京国際アニメフェア2009

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レポート:第3回声優アワード&東京国際アニメフェア2009

2009年03月30日
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第5回功労賞顕彰式

■受賞者 別所孝治(享年72/プロデューサー/主な作品「鉄腕アトム」他)(代理=別所ミツ/良治)
 このような素晴らしい賞を頂きまして、故人に代わり、厚くお礼申し上げます。日本のテレビアニメ番組の草創期から30年あまり、アニメ番組に携わってまいりましたことは、本人にとりましては大変充実した、素晴らしい仕事人生だったのではないかと思います。プロデューサーという仕事柄、良い作品に出会い、スタッフの方々の協力を得て、アニメーションの番組を世に送り出すことができましたことに、深く感謝しております。フジテレビの方をはじめまして、ご協力頂きました皆さまに厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。





■受賞者 大野松雄(音響デザイナー/主な作品「鉄腕アトム」他)
 私は「アトム」が終わってから、テレビアニメを全然やっていないので、今日、「功労賞」を頂けるというのは、何となく照れくさいのですが、頂けるものは頂いて…。「アトム」をやった4年間というのは、やりたいことをやってしまった、やらせて頂いた時期でした。その代わり、いろんな方に迷惑をかけました。中でも今日、ご遺族の方がいらっしゃっていますけど、フジテレビの別所さんにはご迷惑をおかけしました。ただ、もし彼がいなかったら、私はこの賞をもらうことができなかった。この席を借りまして、別所さんのご冥福を祈ると共に、あらためてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。






■受賞者 高井達雄(作曲家/主な作品「鉄腕アトム」他)
 大天才の手塚治虫さんの手品に騙されまして、彼のスタジオから自宅に帰るまでの電車の15分間で「アトム」はできました。最も、手塚さんとは「ある街角の物語」で仕事を一緒にさせて頂いたのが最初ですが。やっぱり、天才の傍にいると、こちらの才能の何百倍もいい曲ができると思いました。






■受賞者 小林七郎(美術監督/主な作品「ガンバの冒険」他)
 アニメーションの背景美術という仕事に関わりまして、40数年経ちます。何でこんなに続いちゃったのか。やっぱり面白いからでしょう。飽きないですね。そして、若い人たちと一緒に、自分の思いを共有しながら、いろんな作品、約百数十作品との出逢いがありました。わがままでありながらも、前向きな冒険をさせて頂きました。表現の多様化が進んでいますが、変わらないのは、「自然が原点」であることだと私は思っています。これからも若い人たちが現場で育ち、私も、もう少し続く限り、頑張らせて頂きたいと思います。





■受賞者 赤塚不二夫(享年72/漫画家/主な作品「おそ松くん」他)(代理=赤塚りえ子)
 父に代わりまして御礼申し上げます。ありがとうございます。父の体は無くなってしまいましたが、赤塚スピリットは、赤塚の作品の中で永遠に生き続けてまいります。この場をお借りしまして、日頃、赤塚の作品を大切にしてくださっている方々、そして、赤塚の作品を愛してくださる方々、本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。



■受賞者 藤子不二雄A(漫画家/主な作品「怪物くん」他)
 僕は漫画家ですが、ディズニーはじめアニメの大ファンでした。これまでの受賞作品の映像を観て、若い方が、僕なんか想像ができないくらいの斬新なタッチで、いろんなアニメを描いていらっしゃることを、非常に嬉しく思いました。これからもアニメはどんどん頑張って欲しい。それと同時に、僕らコミックの世界も応援したくお願いしたいと思います。今日は、本当にありがとうございました。







■受賞者 八奈見乗児(声優/主な作品「ヤッターマン」ボヤッキー他)
 「功労賞」のお話を頂いた時から、私の人生はずっと迷っております。どうして私が頂けるのか、頂いちゃいけないのか? これからも迷いながら人生を送ると思います。まあ、ボヤッキーもまだ現役でやっておりますので、是非聞いて下さい。お願いします。どうもありがとうございました。






■受賞者 笹川ひろし(漫画家・アニメディレクター/主な作品「マッハGoGoGo」他)
 私も、もっと活躍された方がたくさんいらっしゃるのに自分でいいのか、という思いがありました。昔に比べて、アニメーションは、海外に出ていったり、実写化されたりと広がりをもってまいりました。これからも若い方々に是非、素晴らしい作品を作っていただきたいと思います。私も邪魔をしないように、若いクリエイターと共に、日本のアニメがもっと活気づくようにしていきたいと思います。







■受賞者 小松原一男(享年56/アニメーター/主な作品「デビルマン」他)(代理=オープロダクション なみきたかし代表)
 私ども「オープロダクション」は、小さな会社です。コンピューターがなく、鉛筆と消しゴムと紙しかないという会社です。数十人のアニメーターが、絵だけを描いて、約40年間、アニメーションの業界でお仕事をさせて頂いております。一昨年、私の前の会長の村田耕一というアニメーターが「功労賞」を頂きまして、小さな会社ではありますが、2人も「功労賞」を頂く人材に恵まれました。「メトロポリス」が小松原の最後の作品です。小松原は病に倒れ、腕が上がらなくなってしまったのですが、自分が立ち上がって腕を下げた状態で仕事をなお続けておりました。最後に、小松原が教えてくれたことは、つまり、アニメーションは命を懸けてやる仕事である、ということのような気がします。これからも、その志と気迫を継承して、アニメーションの仕事をしていきたいと思います。





【公募作品 グランプリ】

■作品名「Descendants」
■受賞者 ハイコ・ヴァン・デル・シェルム(ドイツ)
 私は、映像学校で3つのルールを学びました。安いこと、早く作れること、高い品質であるということ。しかし、映画を作る過程で、これらのルールを全く違う視点で捉えて制作することを学びました。それは、高い理想を持ち続けること、強い意志を持つこと、そして、個人的犠牲を喜んで払うことです。このような賞を日本で頂けたことをとても誇りに、また、嬉しく思っております。なぜなら、私たちが発見した新しいルールは、日本人の性格にあったもので、共感して頂けると思っているからです。





【アニメーション・オブ・ザ・イヤー】

■作品名「崖の上のポニョ」
■受賞者 スタジオジブリ 星野康二・代表取締役社長(代理=同社 野中晋輔・制作業務局局長)
 先ほど「監督賞」のスピーチで渡邊から話があったように、この作品は、非常に野心的で挑戦的な内容です。CG全盛の今、アニメーションの原点に帰るということで、あえてすべて手で動かす、ひたすら鉛筆で描いています。つまり、この作品のテーマのひとつとして、命そのものを描くことであって、それを達成するためには人間の手で描く絵が必要だということを、宮崎駿監督が考えたからです。背景についても、今までは、コンセプトは緻密にということだったのが、思い切って方針を転換し、非常にシンプルな絵で世界観を描いてみようということにチャレンジしました。幸いにしてたくさんの人に観て頂くことができ、そして今日、このような立派な賞を頂くことができました。本当にありがとうございました。







   次ページでは、「東京国際アニメフェア2009」のブース出展の模様を紹介します。

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