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ディズニー『ウィッシュ』、字幕版完成試写会レポ

【FREE】ディズニー『ウィッシュ』、字幕版完成試写会レポ

2023年11月18日
 ディズニーの100周年記念映画『ウィッシュ』が12月15日(金)に劇場公開される。

 同作は、どんな願いも叶うという魔法の王国ロサスを舞台に、恐ろしい真実を知ってしまった少女アーシャが、願いを支配するマグニフィコ王に立ち向かう姿が描かれる。監督をクリス・バック(『アナと雪の女王』)と新鋭のファウン・ヴィーラスンソーンが担当した。

 去る11月13日には業界関係者とマスコミ向けの字幕版完成披露試写会がTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、ディズニー・アニメーション・スタジオの創作面を束ねるCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)であり、今作の脚本を務めたジェニファー・リー氏が来日、上映前にプレゼンテーションを行った。

 リー氏は、ディズニーが短編映画(『紙ひこうき』、『愛犬とごちそう』、『ツリーから離れて』)で培ってきた技術が、今作の水彩画と3DCGを融合したような革新的なルックを実現するために役立ったと説明。音楽は、ブリトニー・スピアーズやセレーナ・ゴメスらに楽曲提供し、ディズニー・アニメーション作品史上最年少の作曲家となったジュリア・マイケルズが全7曲を書き下ろしたという。作品には“心から願いを叶えようとする者に、この世で勝るものはない”というメッセージが込められ、「ディズニーのスタッフ全員の心の願いを描いた」と語った。

 同社が「ディズニー100年の歴史の集大成となる新たなドラマティック・ミュージカル」と謳うように、同作のミュージカルシーンの数々は「圧巻」の一言。壮大なメイン曲「ウィッシュ~この願い」をはじめ、ラテン、ラップ、バラードなど様々なタイプの音楽が作品を彩る。特に主人公のアーシャらが悪役の王に立ち向かうことを決意するシーンで流れるソングは、従来のディズニー・アニメーションのイメージを覆すような勇猛かつ力強い楽曲でインパクトは大きい。この日上映されたのは字幕版だったが、生田絵梨花、福山雅治らが声優を務めた日本語吹替版の仕上がりも注目だ。いきいきとしたキャラクターたちの表情や動きは伝統的なディズニー作品そのもの。そして、人それぞれの「願い」を尊ぶ強いメッセージ性は、ディズニーが100周年記念作品に据えるテーマに相応しく、観客に勇気を与える映画となった。

 なお、本編前に上映される短編映画『ワンス・アポン・ア・スタジオ ‐100年の思い出‐』も大いに注目の1本。字幕版はすでにディズニープラスで見放題配信されているが、吹替版は劇場だけで鑑賞できる。85以上のディズニー・アニメーション作品から総勢543ものキャラクターが登場する力作で、吹替版はこれまで各作品を担当してきた豪華な面々が再び演じている。ディズニーが生み・育ててきた馴染み深いキャラクターたちが、作品や2Dと3Dの枠を越えて共演する様子は壮観で、100年の歴史を詰め込んだ宝箱のような作品となった。

(レポート:映画部記者・平池由典)
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。