DMM.com(DMM)は、動画配信サービス「DMM TV」内でショートドラマの配信を6月2日(月)に開始した。DMM TVを利用できる会員サービス「DMMプレミアム」(月額550円)の会員なら、ショートドラマ全話を見放題で楽しめる。
サービス開始に先んじて同社は東京・六本木の本社で5月29日に発表会を開催。村中悠介COOの説明によると、ショートドラマの世界市場規模は2029年に8・8兆円に達するとの予測(YHリーチ調べ)があり、国内でも2023年と2024年の収益比較(主要ショートドラマ関連アプリの収益合計)は約3千万円から約36億円にジャンプアップしている(SensorTower調べ)。DMM TVでも「DMMショート」のブランド名で参入を決め、作品取得とオリジナル作品制作に対し年間20億円規模を投資する方針だという。
DMM TVでは、1話につき3分以内、全30話程度のショートドラマを配信していく考え。6月には約30作品(900話)を揃え、年間では約100作品(3000話)を配信する予定。DMM TVのアプリでは「ショート」のタブも新たに実装した。
すでに数々のショートドラマアプリが存在するが、最初の数話は無料、途中から課金していく形式が一般的だ。そんな中で、村中氏は「“全話見放題”がポイントだ」とDMM TVの強みをアピールする。100万人以上の国内配信サービスでは、ショートドラマアプリで全話見放題を展開するのはDMM TVが初。「ショートドラマの面白さを業界で引っ張っていく立場になれれば」(村中氏)と意気込む。
6月2日から配信するオリジナル作品は「デパコスBA戦争」、「新人看護師は院長の孫娘!?」、独占作品は「ドッペルマリッジ」。村中氏によると、国内のショートドラマ市場は現状女性の利用者が多く、女性が情報拡散することで、男性も含めて作品の認知が拡大する傾向にあるという。DMM TVでも、当面はまずは女性の視聴を見込んだ作品を取り揃えていく方針。また、すでにDMM TVで人気を博しているオリジナル長編ドラマ「ドンケツ」や「外道の歌」のショートドラマ作品も今後制作していく運びだ。
さらに、目玉の一つとして小室哲哉が総合プロデュースを務めるショートドラマの企画(タイトル非公表)も進行中。イベントには小室も登壇し、「35年以上、映像に音楽をつけてきたが、(この企画は)ドラマと一緒にゼロからやれるのが良かった。ミュージックビデオはだいたい3分なので、(ショートドラマの1話3分も)感覚的にわかるので興味を引かれた」と参画の決め手を語った。作品は、かつてCMソング界を席捲したものの今は落ちぶれた作曲家が、家族や社会から見放されながらも歌い続ける少女と出会い、過酷な地下アイドル業界から這い上がっていくさまを描く再生と逆襲のエンタメサクセスストーリー。脚本はこの日完成し、今後制作に入るという。音楽も小室が手掛けることが決まっており、「もう1回ぐらいバズりたいという気持ちがある」と、同作をきっかけにヒット曲を生み出そうと意欲を見せた。