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特集:「第22回東京国際映画祭」(10/17~10/25)

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特集:「第22回東京国際映画祭」(10/17~10/25)

2009年10月25日



コンペティション部門
「ロード、ムービー」 公式記者会見 (10月22日)

 第22回東京国際映画祭・コンペティション部門「ロード、ムービー」の公式記者会見が22日午後、六本木ヒルズのムービーカフェで行われ、デーヴ・ベネガル監督、フレッド・ベルガー共同プロデューサーが出席した。

 本作は、監督の10年ぶりの長編となる新作で、感動の映像美で綴る青春成長物語。監督と、本作のプロデューサーに名を連ねるロス・カッツは、10年前の同映画祭での出会いから親交が始まったという。「私の作品を上映した後、まだ劇場が暗い内から映画を称賛してくれる声があがり、その声の主がロスだった。それ以来、彼と親交を深め、いずれ一緒に映画を作ろうと話していたが、私が怠け者であるということもあり、なかなか実現しなかった。しかし、この映画の脚本を書き終えた後、フレッドとロスに出会うと、ぜひ一緒にやりたいと言ってくれた」と振り返り、「この映画を携えて大好きな東京に戻って来られて本当に幸せ」と語った。



コンペティション部門
「NY スタテンアイランド物語」 公式記者会見 (10月23日)

 第22回東京国際映画祭・コンペティション部門「NY スタテンアイランド物語」の公式記者会見が23日午後、六本木ヒルズのムービーカフェで行われ、ジェームズ・デモナコ監督が出席した。

 本作は、全く立場の異なる3人の男の人生交差点で起きる、心に響く3つの物語。イーサン・ホークが主演している。監督は日本映画のファンで、本作は「トニー滝谷」からインスピレーションを受けているという。「ビジュアルスタイルや映画のペースについて参考にさせてもらった。また、『うなぎ』も大好きで、登場人物のキャラクター設定をする上で参考にさせて頂いている」と話し、日本映画から大きな影響を受けた作品であることをアピール。黒澤監督作品たくさん鑑賞していると話し、多大な影響を受けた日本の映画祭でコンペ部門に選ばれたことを喜んだ。


クロージング・セレモニー (10月25日)

 第22回東京国際映画祭が9日間の日程を終え、25日閉幕した。当日はTOHOシネマズ六本木ヒルズでグリーンカーペット&クロージング・セレモニーが行われ、各部門の受賞作品及び受賞者の表彰式が行われた。コンペティション部門の最高峰・東京サクラグランプリには、ブルガリア作品「イースタン・プレイ」が輝いた。

 「イースタン~」はグランプリの他に、最優秀男優賞、最優秀監督賞も受賞し、審査員から圧倒的な支持を得た。表彰を受けたカメン・カレフ監督は「ブルガリアの誇りです。若いブルガリアの映画人たちも喜んでくれると思う」と満面の笑みで語った。また、最優秀男優賞を受賞したフリスト・フリストフはクランクアップ直前に他界しており、監督は「本来賞というものは、受賞者が今後の人生において励みになるものなので、深い感銘を受けた」とコメントした。監督の次回作は2010年5月にクランクイン予定だという。(写真は、左が監督、右がステファン・ピリョフプロデューサー)

 コンペ部門の審査委員長を務めたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ氏は「イースタン~」について、「満場一致でグランプリだった。劇中で、『僕には立ち上がる力はあるが、立ち上がった後に掴まるものがない』という台詞があるが、それは、経済状況が悪く映画製作が難しくなっているこの業界と同じだ」と論評した。また、現在の映画界は興行成績でしかその価値を図れなくなっていることを指摘し、「コンペ部門作品は全て素晴らしい。映画会社には、こういった作品を配給して頂けるようお願いしたい」と訴えた。

 セレモニーの最後には、審査員、受賞者、ボランティアスタッフなど関係者が全員登壇し、映画祭の成功を分かち合った。閉幕の挨拶をした依田巽チェアマンは、「グリーンカーペットの試みは世界的にも知られるようになった。今後は、さらにハイクオリティな作品を集め、三大映画祭に次ぐ映画祭を目指したい」とし、会場にいる全員で「アクション・フォー・アース!」と締めくくった。

 今回の映画祭では、約270作品を上映。劇場動員数は4万1771人、TIFFCOM、共催・提携企画動員数は27万8339人、グリーンカーペット・アリーナ等イベントの動員数は1万7700人だった。

 


受賞者&受賞作品一覧

■コンペティション
東京サクラグランプリ 『イースタン・プレイ』(監督: カメン・カレフ)
審査員特別賞 『激情』(監督: セバスチャン・コルデロ)
最優秀監督賞 カメン・カレフ(『イースタン・プレイ』)
最優秀女優賞 ジュリー・ガイエ(『エイト・タイムズ・アップ』)
最優秀男優賞 フリスト・フリストフ(『イースタン・プレイ』)
観客賞 『少年トロツキー』(監督: ジェイコブ・ティアニー)

■TOYOTA Earth Grand Prix
グランプリ 『Wolf 狼』(監督: ニコラ・ヴァニエ)

■アジアの風
最優秀アジア映画賞 『旅人』(監督: ウニー・ルコント)
スペシャルメンション 『私は太陽を見た』(監督: マフスン・クルムズギュル)
特別功労賞 ヤスミン・アフマド(去る7 月に急逝したマレーシアの監督)

■日本映画・ある視点
作品賞 『ライブテープ』(監督: 松江哲明)

 
(前列左より、「激情」に出演のマルチナ・ガルシア、同監督のセバスチャン・コルデロ、「イースタン・プレイ」のカメン・カレフ監督、同ステファン・ピリョフプロデューサー、「エイト・タイムズ・アップ」出演のジュリー・ガイエ、「WOLF/狼」代理で表彰式に出席のフランシス・メゾエール仏大使館文化部次席参事官、後列左より、「ライブテープ」の松江哲明監督、「少年トロツキー」のケヴィン・ティアニープロデューサー、同ジェイコブ・ティアニー監督、「エイト・タイムズ・アップ」のシャビ・モリア監督)
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